線維筋痛症の診断と治療

線維筋痛症の診断

線維筋痛症は、血液検査やX線検査をはじめとする一般臨床検査では異常が見つからないことが多いため、明確な診断基準はありません。
そこで、現在日本では、主に米国リウマチ学会線維筋痛症分類基準(1990)を参考に診断がなされています。この基準では、全身の広範囲に原因不明の痛みが3ヵ月以上続いていること、指圧(4kgの圧力:爪が白くなる程度)により、下記のイラストに示す18ヵ所の圧痛点のうち11ヵ所以上に痛みを感じることで、線維筋痛症と診断されます。

線維筋痛症における18ヵ所の圧痛点(米国リウマチ学会線維筋痛症分類基準1990)

圧痛点とは、医師がその部分を押すことにより診断するためのポイントです。
そのため、セルフチェックでは、現在感じていられる痛みの範囲としてお答えいただくように、別の診断予備基準の図を掲載しております。

痛みの評価

「痛み」は数値で評価することが可能です。国際的に推奨されている痛みの評価スケール(NRS:Numeric Rating Scale)では、痛みを「0:痛みなし」から「10:これ以上ない痛み(これまで経験した一番強い痛み)」までの11段階に分け、痛みの程度を数値で評価します。
このスケールは、線維筋痛症などの慢性的な「痛みの強さ」を調べるために診療の場で広く使われています。

痛みの評価スケール(NRS)

線維筋痛症の治療

線維筋痛症は、薬物療法を中心に様々な治療が行われています。

線維筋痛症の痛みの治療に使用されている主な薬物療法
  分類 薬剤名
鎮痛薬 オピオイド性鎮痛薬 トラマドール
下行性疼痛抑制系賦活型疼痛治療薬 ワクシニアウイルス接種家兎炎症皮膚抽出液
抗うつ薬 三環系抗うつ薬 アミトリプチリン
選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI) パロキセチン
セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(SNRI) ミルナシプラン
デュロキセチン
ノルアドレナリン作動性・特異的セロトニン作動性抗うつ薬(NaSSA) ミルタザピン
抗けいれん薬 カルバマゼピン
ガバペンチン
プレガバリン
漢方薬 アコニンサン

線維筋痛症診療ガイドライン2011より改変

非薬物療法

薬物療法の他に、理学療法(運動療法・温熱療法など)や心理的治療(生活指導・認知行動療法など)があります。

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