光線力学的療法用剤「注射用レザフィリン®100mg」悪性脳腫瘍治療薬適応追加承認申請のお知らせ

2012年12月26日 プレスリリース

Meiji Seika ファルマ株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:松尾正彦)は、光線力学的療法用剤「注射用レザフィリン®100mg」(一般名:タラポルフィンナトリウム、以下レザフィリン)について、12月25日、厚生労働省に悪性脳腫瘍治療薬としての適応を追加するための承認申請を行いましたので、お知らせします。本剤は希少疾病用医薬品に指定されています。
なお、本剤は、既にPDT半導体レーザとの組み合わせにより早期肺癌を適応として2003年に承認されています。

悪性脳腫瘍の治療は、一般的に手術による腫瘍摘出を基本とし、術後の放射線化学療法を組み合わせた治療が中心ですが、医療現場からは更なる治療成績の向上が望まれています。

光線力学的療法(以下PDT)は、光感受性物質が存在しレーザ光が照射された部位の腫瘍細胞を壊死させる局所治療法として知られています。
東京医科大学脳神経外科の医師らにより、手術による腫瘍組織の摘出後に、PDTによる腫瘍細胞に対する治療での更なる効果を期待して、2004年より臨床研究が実施されました。これに引き続き、東京女子医科大学先端工学外科の医師らが、2009年より社団法人日本医師会治験促進センターの治験推進研究事業による医師主導治験として、悪性脳腫瘍患者に対するPDTの有効性および安全性についての検討を実施しました。その結果、良好な成績が確認されたため、その成績をもとに当社はPDT半導体レーザを用いた悪性脳腫瘍適応に対するPDTの薬剤としてレザフィリンの承認申請を行いました。PDT半導体レーザについては、パナソニック ヘルスケア株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:山根健司)が申請の準備をしています。

当社は、悪性脳腫瘍の治療における新たな選択肢として、レザフィリンおよびPDT半導体レーザを用いたPDTが医療現場に貢献できるものと期待しております。

以上

参考

Photodynamic therapy(PDT)について

光線力学的療法(Photodynamic therapy:PDT)はポルフィリン関連化合物などの腫瘍親和性光感受性物質と低出力レーザ光によって生じる光化学反応により殺細胞効果を引き起こす治療法です。
PDTは高出力レーザによる焼灼・熱凝固、蒸散といった「焼く」治療法とは異なり、低エネルギーで病巣を選択的に治療する事が可能です。

医療関係者の方は下記より詳しい情報をご覧いただけます。