光線力学的療法用剤「注射用レザフィリン®100mg」悪性脳腫瘍の適応追加承認取得のお知らせ

2013年09月20日 プレスリリース

Meiji Seika ファルマ株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:松尾正彦)は、光線力学的療法用剤「注射用レザフィリン®100mg」(一般名:タラポルフィンナトリウム、以下レザフィリン)について、9月20日、悪性脳腫瘍の適応を追加する承認を取得しましたので、お知らせします。
本剤は、PDT半導体レーザとの組み合わせにより早期肺癌を適応として2003年に承認されています。また、希少疾病用医薬品に指定されています。

悪性脳腫瘍の治療は、手術による腫瘍摘出を基本とし、術後の放射線化学療法を組み合わせた集学的治療が一般的です。しかし、正常脳組織への浸潤性発育を特徴とする悪性脳腫瘍では、言語野や運動野等の重要機能温存のため腫瘍摘出範囲の制限を受けることが多く、いかにして腫瘍細胞だけに選択的な傷害を与えるかが課題とされ、医療現場からは更なる治療成績の向上が望まれていました。

光線力学的療法(PDT)は、腫瘍親和性の高い光感受性物質を体内に投与し、レーザ光が照射された病変部位の細胞を壊死させる局所治療法であるため、正常組織への影響が少なく、身体への侵襲を軽減する治療法として知られています。

2009年より東京女子医科大学、東京医科大学を中心に、公益社団法人日本医師会治験促進センターの治験推進研究事業による医師主導治験として、悪性脳腫瘍患者に対するPDTの有効性および安全性についての検討を実施しました。当社は、その成績をもとにPDT半導体レーザを用いた悪性脳腫瘍に対するPDTの薬剤としてレザフィリンの適応追加申請を行い、この度、承認の取得に至りました。
なお、PDT半導体レーザについては、パナソニック ヘルスケア株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:山根健司)が承認を取得しています。

当社は、悪性脳腫瘍の治療における新たな選択肢として、レザフィリンおよびPDT半導体レーザを用いたPDTが医療現場に貢献できるものと期待しております。

以上

参考

Photodynamic therapy(PDT)について

光線力学的療法(Photodynamic therapy:PDT)はポルフィリン関連化合物などの腫瘍親和性光感受性物質と低出力レーザ光によって生じる光化学反応により殺細胞効果を引き起こす治療法です。
PDTは高出力レーザによる焼灼・熱凝固、蒸散といった「焼く」治療法とは異なり、低エネルギーで病巣を選択的に治療する事が可能です。

医療関係者の方は下記より詳しい情報をご覧いただけます。