抗うつ薬「フルボキサミンマレイン酸塩」の小児強迫性障害に対する
臨床第Ⅲ相試験結果のお知らせ

2015年09月11日 プレスリリース

Meiji Seika ファルマ株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:小林大吉郎、以下Meiji)は、アッヴィ合同会社(本社:東京都港区、社長:ジェームス・フェリシアーノ、以下アッヴィ)と共同販売している「フルボキサミンマレイン酸塩」(一般名、販売名:ルボックス/アッヴィ、デプロメール/Meiji、以下フルボキサミン)の小児の強迫性障害患者を対象とした臨床第Ⅲ相試験について、10週間投与の二重盲検比較試験の結果をお知らせします。

強迫性障害は、強迫症状と呼ばれる症状(手を繰り返し洗う、鍵を閉めなかったなどと心配し頻繁に確認する等)に特徴付けられる疾患です。適切な治療がなされない、もしくは治療が遅れた場合には、強迫観念や執拗な確認行動等により、日常生活が著しく妨げられ、外出困難などQOLを低下させます。
フルボキサミンは、1999年に我が国では最初のSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)として発売し、成人に対する「うつ病・うつ状態」、「強迫性障害」並びに「社会不安障害」の適応で販売しています。また、日本を含む約100ヵ国以上で販売されています。

フルボキサミンの小児強迫性障害に対する適応は、欧米など約90ヵ国で承認されているものの、日本では承認されておらず、「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」における検討の結果、医療上の必要性が高いという評価が得られたことから、厚生労働省よりアッヴィおよびMeijiの両社が開発の要請を受け、2013年8月より「SME3110(フルボキサミンマレイン酸塩)の小児強迫性障害患者を対象とした臨床第Ⅲ相試験」を日本国内にて開始しました。

本試験では、まず小児の強迫性障害患者に、フルボキサミン又はプラセボを10週間投与し、小児用Yale-Brown Obsessive Compulsive Scale 日本語版(以下JCY-BOCS)の総スコアの投与開始時と最終評価時との変化量を比較し、無作為化二重盲検法による有効性の検証と、安全性を検討しました。引き続き小児の強迫性障害患者を対象にフルボキサミンの長期投与による安全性および有効性を検討しております。

この度、10週間投与の二重盲検比較試験の結果が下記の通りとなりました。

  • フルボキサミン投与群はプラセボ投与群に比較して、主要評価項目であるJCY-BOCSの総スコアにおける投与開始時と最終評価時の変化量に有意な差が認められました。
  • また、安全性において特に問題となるような事象は観察されませんでした。

なお、長期投与の試験は継続中ですが、出来るだけ早期に日本国内における本剤の小児強迫性障害の適応取得を目的とした製造販売承認申請を行う予定です。
両社は、医療上の必要性の高い医薬品を開発・提供することを通じて、患者様やそのご家族の方々に貢献することを目指してまいります。

以上

参考

医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議について

「欧米では使用が認められているが、国内では承認されていない医薬品や適応について、医療上の必要性を評価するとともに、公知申請への該当性や承認申請のために追加で実施が必要な試験の妥当性を確認すること等により、製薬企業による未承認薬・適応外薬の開発促進に資すること」を目的として設置された厚生労働省が主催している会議。