現在地は動物用製品ホーム > CA事業 > 獣医師の皆様へ > アルファキサン製品サイトホーム > アルファキサンの概要です。

アルファキサン®の概要

※文章中、[  ]内の参考文献については、左メニューの「参考文献」よりご確認ください。

アルファキサン®の有効成分

アルファキサン®は神経刺激性ステロイド分子であるアルファキサロン(3-α-ヒドロキシ-5-α-プレグナン-11,20-ジオン)を1mL中10mg含有する犬猫用に承認を取得した麻酔導入薬である。
アルファキサロンはステロイド構造を有するが、性ホルモン受容体、糖質コルチコイド受容体や鉱質コルチコイド分子(いわゆる核内受容体)とは結合しない[8,9]

アルファキサロン プロジェステロン アルファキサロンの化学的構造はプロジェステロンと似ている

アルファキサロンの作用機序

アルファキサロンは、神経伝達に介在するγ-アミノ酪酸サブタイプA(GABAA)受容体を活性化することによって麻酔作用を生じる。GABAA受容体は、哺乳類の中枢神経(CNS)に広く分布している。GABAは哺乳類CNSの主要な抑制性アミノ酸伝達物質であり、全ニューロンのほぼ半数に存在する[10]。GABAはGABAA受容体の孔を開いて塩化物イオンを流入させ、過分極を生じることによって作用する。アルファキサロンは、GABAの作用を増強することによって、活動電位が生じるのを阻害し、インパルスの伝達を遮断する。

GABAの静止状態 アルファキサロンが過分極を増大 Cl-(塩化物イオン) GABA アルファキサロン GABAA受容体

アルファキサロンの歴史

20世紀初期に、鎮静薬として作用するある種の内因性ホルモンの可能性が認識されるようになった。1940年代に開始された研究により、多数の候補化合物が合成されたが、なかでもアルファキサロンは安全性および有効性の面で最も有望な化合物であることが示された[11,12,13]
アルファキサロン分子を元にした麻酔薬の開発および市販化における初期の取り組みは、有効成分が水溶液に可溶性でなかったため成功しなかった。別の神経ステロイド「アルファドロン」と併せてアルファキサロンを含有した最初の市販製剤は、ヒマシ油誘導体であるクレモホール溶液として製剤化された。この化合物は副作用として重篤なアレルギーを引き起こすことから[14]、アルファキサロンを含有するヒト用麻酔薬(Althesin®)と動物用麻酔薬(Saffan®)は、最終的には販売中止となった。しかし、この副作用を引き起こさない製剤を開発するための研究は継続され[15.16]、1990年代後半、アルファキサロンは可溶化のために複合糖類であるシクロデキストリンを含む製剤として製品化された(下図)。これにより、初期の製剤にみられた副作用の問題は解消された。アルファキサン®(Alfaxan®)は現在、世界各国(オーストラリア、ニュージーランド、南アフリカ、フランス、イギリス、アイルランド、ドイツ、オランダ、スペイン、カナダ、ベルギー、韓国)において動物用医薬品として登録、販売されている。

製剤の特徴

アルファキサン®は、注射用水にシクロデキストリンとアルファキサロンを1%(10mg/mL)に溶解した無色透明な、中性(pH6.5〜7)の等張液で、保存剤は含有していない。保管に際しては、凍結を避け、室温にて保存する。

イメージ図:HPβCDと包接されたアルファキサロン
アルファキサロンの水溶化技術
  • アルファキサン®の主成分であるアルファキサロン分子は親油性が高い。
  • 2-α-ヒドロキシ-プロピル-β-シクロデキストリン(HPβCD)と包接体を形成することで水に溶けるようにした。
  • シクロデキストリンとは6〜8分子のD-グルコースが、α(1→4)グルコシド結合した環状オリゴ糖である。

このページのトップへ