移植片対宿主病(graft versus host disease:GVHD)は、骨髄移植などの同種造血幹細胞移植に特有の合併症で、移植したドナーさんの細胞
(移植片)に由来するリンパ球が、患者さん(宿主)の臓器を異物とみなして攻撃することによっておこります。
ドナーさんに由来するリンパ球が腫瘍細胞を攻撃してくれる効果(GVL効果)も期待できるのですが、正常な細胞が攻撃を受けてしまうと、GVHDとして様々な臓器に障害があらわれます(図)。
出典:国立がん研究センターがん情報サービス 造血幹細胞移植の副作用・合併症(https://ganjoho.jp/public/dia_tre/treatment/
HSCT/hsct03.html#anchor3)
(2024年4月16日アクセス)より作図
GVHDには、急性と慢性があります。
急性GVHDでは主に皮膚や肝臓、消化管に障害がおこり、発疹、黄疸、腹痛、下痢、吐き気・嘔吐、食欲不振などの症状があらわれます。
慢性GVHDでは、より多彩な臓器に影響が出ることがあり、皮膚、口腔粘膜、眼、肺、肝臓、筋肉、骨などに症状があらわれます(詳細はこちら)。
急性GVHDと慢性GVHDは、発症する時期や発症のメカニズムが異なると考えられており、治療方法も異なります。
まずは、GVHDを予防するために、造血幹細胞移植時から、免疫抑制薬が使用されます。多くの場合、作用の異なる免疫抑制薬を組み合わせて使用します。
GVHDを発症した場合には、免疫をさらに抑制する治療が行われますが、免疫抑制が強すぎると感染症をおこしやすくなったり、GVL効果が減弱したりするので、バランスよく管理して行うことが重要です。
一般的に、軽症の場合は、経過観察あるいは局所療法(皮膚症状に対する外用薬など)が行われます。重症度が高い場合は、内服薬や点滴を用いた全身治療(ステロイドや免疫抑制薬など)が行われます。
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