碧素(ペニシリン)の製造許可申請書が「未来技術遺産」に登録されました

2019年10月07日 プレスリリース

Meiji Seika ファルマは、同社の前身である明治産業株式会社により1945年に提出された碧素(へきそ:ペニシリン)の製造許可申請書が、2019年度重要科学技術史資料(愛称:「未来技術遺産」)に登録されたのでお知らせします。

ペニシリンは1928年に英国で発見され、多くの感染症に効く奇跡の薬として知られており、第二次世界大戦中も使用され多くの命を救っていましたが、当時ペニシリンの実用化に成功したのは英米を除くと日本だけでした。日本では、ドイツのキーゼ報告を頼りに、医、理、工、薬、農学の研究者によるペニシリン研究委員会を結成し、独学で1年以内にペニシリンの大量生産を開始するという一大成果を成し遂げたとされています。しかし当時の製造に関する資料はほとんど残っておらず、昭和20年4月の日付がある本資料は、化学的に不安定なペニシリン(碧素)の開発に成功し、戦時中に実際に製造しようとした事実を伝える貴重な資料として重要であるとされました。

未来技術遺産は、「科学技術の発達史上重要な成果を示し、次世代に継承していく上で重要な意義を持つ科学技術史資料」および「国民生活、経済、社会、文化の在り方に顕著な影響を与えた科学技術史資料」の保存と活用を図ることを目的に、2008年度から独立行政法人国立科学博物館(館長:林 良博)が実施している登録制度です。このたび、碧素の製造許可申請書が、国際的に見て日本の科学技術発展の独自性を示す貴重な資料として登録されました。

このペニシリン製造の技術は、承継会社であるMeiji Seika ファルマに引き継がれており、抗生物質をはじめとする様々な医薬品の提供によって国民の健康に貢献しています。

1943年12月16日〜1947年4月29日の間の明治製菓株式会社社名

参考

登録証と記念盾
登録証と記念盾
碧素製造許可申請書
碧素製造許可申請書
国立科学博物館で展示された碧素(ペニシリン)の製造許可申請書に関する資料のパネル
国立科学博物館で展示された碧素(ペニシリン)の製造許可申請書に関する資料のパネル
国立科学博物館で展示された碧素(ペニシリン)の製造許可申請書に関する資料のパネル
国立科学博物館で展示された碧素(ペニシリン)の製造許可申請書に関する資料のパネル