40周年記念企画

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オリゼメートに思うこと

アグリビジネス推進研究協会 理事長/元 農林水産省 技術政策課長

横田 敏恭

オリゼメートとの出会いは、農林水産省に入省(昭和56年)して間もないころでした。入省当初は、横浜植物防疫所で種ばれいしょ検疫の改革や果樹母樹検疫の立ち上げに携わっていました。
昭和58年に植物防疫課の防除班に異動となり、ここからオリゼメートとのお付き合いが始まりました。と言いましても、はじめはそれほど意識していたわけでもありません。昭和58年は、いもち病の発生が少なかったこともあるかもしれません。昭和59年は、葉いもちの発生は多くなったものの、穂いもちの発生は少なく、大きな騒ぎにならずにすんだのではないかと思います。昭和60年は技術係長として、61年~62年は発生予察係長として、いもち病対策に取り組むこととなりました。
今から振り返ると、発生予察を担当したこの3年間は、いもち病の発生は非常に少なく、特に穂いもちは過去と比較しても最少の発生になっていたと思います。
この当時は、よく生産現場を回り、農家やJAの方と意見交換をしました。なぜこれほどいもち病の発生が少ないのかという疑問に対する答えの一つが、オリゼメートの効果ではないかというものでした。確かに気象条件なども大きな要因ですが、それだけでは答えにならないというのが、生産現場を回っていた時の感触でした。具体的な地域は忘れてしまいましたが、農家やJAの方がオリゼメートの効果を称賛していたことは、今でも記憶に残っています。
当時の感覚では、これだけ効果を発揮する農薬が広く使用されれば、これまでのようないもち病の大発生はないのではないかと思うようになりました。
農薬メーカーなど関係者が数多く参加している会合で、発生予察係長として情勢報告をする機会があったので、自分自身の正直な気持ちをお話しました。「オリゼメートがあるので、これまでのようないもち病の大発生はないと思う。それほど、この農薬は素晴らしい」この発言に、一番困ったのは、当の明治製菓の方のようでした。休憩時間になると、すぐにお話に見えて「非常にありがたいお話であるが、このような場でお話しされると我々は居づらくなってしまう」ということでした。私とすれば、思っていることを、そのまま話したのでしたが、少し申し訳なく思いました。
この話には余談があり、平成5年のいもち病大発生の年に、「あなたは、以前、いもち病の大発生はないと言っていたが、今年の発生をどう思うのか」という質問をよく受けました。私の答えは一つ。「もし、オリゼメートがなかったら、この程度の発生ではすまなかったであろう。オリゼメートのおかげで、発生が抑えられているのだから、私の当時の見解は全く間違っていない」というものです。今でも、この時の自分の考えは、「正しい見解」だと思っています。
さて、皆さんのご意見はどうでしょうか。

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