40周年記念企画

東北の生産者

福島県耶麻郡西会津町

西会津町は県下有数のいもち病多発地帯である。
オリゼメートがなければコシヒカリは作れなかった。

伊藤さん2世代

伊藤さん2世代

  • 五郎さん(昭和9年生まれ)
  • 健一さん(昭和32年生まれ)

伊藤さんが農業を営む耶麻郡西会津町は福島県会津地方の西部、新潟県に隣接する県境の町である。北方には飯豊連山を擁し、新潟湾に注ぐ阿賀川の上流域を成す中山間地帯である。水田は国道と阿賀川沿いに広がり、山が迫る入り組んだ地形から、県内でも有数のいもち病多発地帯になっている。

五郎さんは昭和23年、14歳の頃から後継者として、先代の農業を手伝うようになった。この頃は食糧増産時代で小学校の校庭でも、まめ、いもなどを栽培していた。教科書はなく新聞を教材として使うなど厳しい時代であった。
就農当時は水田1.2haであったが、現在は10ha以上の水田で稲作を営む専業農家である。

研究熱心な五郎さんは多収技術の確立に専念し、昭和34年には、水稲多収で県下一番となり、県から表彰状を受賞した。県庁の授賞式会場では「どのようにして中山間地域で多収できたのか?」との質問・疑問が相次いだという。
これらの功績と長い間の意欲的な営農活動が評価され、後に、西会津町農業委員会の会長に就任している。

オリゼメートは昭和54年から、現在に至るまで使用している。オリゼメート導入前は粉剤を5~6回散布したが、いもち病が多発すると減収となった。オリゼメートを使うようになって、いもち病で減収することはなく、町全体でもかなりの生産者がオリゼメートを使うようになった。地域の主力品種である「コシヒカリ」は特に穂首いもちに弱く、葉いもちをしっかり防除する必要があり、オリゼメートは欠かすことができない予防剤である。
平成10年からは箱処理剤に切替え、移植の一週間前に施薬している。さらに、平成26年からは、より省力的な播種同時処理剤の導入を予定している。
繁忙期には勤め人の健一さんに手伝ってもらい、親子二人三脚で急場を凌いでいる。
規模拡大には慎重である。雑草防除や用水管理に手が届かなくなり、農業環境が荒れてくる懸念があるからだ。

中山間地の農業環境は厳しい。平場が少なく、水田規格には限界があり、複雑な地形から山影、河川域の水田では、いもち病が多発する。一方、気温の日較差(約10℃)があるため、夜は稲がしっかり休み、美味しい米ができるという。
この地にしっかり根を生やし、この地の土、水、大気等々と66年間付き合ってきた五郎さんに、どっしりとした大木の存在感を覚えた限りである。

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