オリゼメートの作用

プロベナゾールには病原菌を直接殺菌する作用はありません。高濃度のプロベナゾールを直接いもち病菌へ処理しても、その生育は無処理と変わりません。これはプロベナゾールがいもち病菌に対する直接殺菌力がないことを示しております。では、何故プロベナゾールは実際に高い防除効果を示すのでしょうか?

5.葉いもち防除と種いもち防除

モミいもち穂首いもちから感染する率が最も高く(1.00に近いほど感染しやすいということです)、穂首いもちは次葉(n-1葉)、止め葉(n葉)から感染する率が最も高くなります。すなわち、穂いもちは上位葉にいもち病が発生すると出やすくなります。

【葉位別葉いもち病斑数と穂いもち発生量との関係】
激発年における葉位別葉いもち病斑数と穂いもち発生量との相関行列

【穂首、枝梗いもち病の圃場感染時期と罹病率%】
この表から、穂が半分出たくらいの時期にいもち病菌に感染した場合でも非常に高い率で発病し、出穂後3日目の感染では、ほぼ100%発病することがわかります。前表の相関関係より、穂首いもちは次葉・止葉に発病した場合、最も感染しやすいことから、穂いもちを防ぐにはまず上位葉でのいもち病の発生を抑えることが肝要なのです。

オリゼメートによるいもち病防除の基本的な考え方、菌糸生育→胞子形成→飛散・感染が繰り返されるいもち病菌のサイクルをどこかで遮断し、その後に本病の伝染密度を極小にしようというものです。
オリゼメートは作用メカニズム及び浸透移行性、持続期間等から、特に葉いもちに対し高い効果を示し、上位葉でのいもち病発生を抑えることにより、穂いもち病への感染経路を遮断し、いもち病菌の密度を抑制します。

こうした本剤の高い密度抑制効果を地区→地域→県→地方レベルにまで拡大し、いもち病の伝染環を遮断することにより広域的に密度抑制する疫学的な効果も実証されています。

Dr.オリゼ剤広域使用による穂いもちへの効果

長野県

穂いもちに対する薬効の有無および箱施薬剤を用いた際の体型防除法、特に穂いもち防除の時期の捉え方です。
通常、穂いもち防除適期は穂ばらみ期後期(出穂前)にありますが、箱施薬剤を用いることによって、出穂後処理でも実用上の効果が確保されるか、つまり穂いもちの防除適期幅が広がるかです。図1では、箱施薬剤処理区では穂いもち防除を穂揃い期に行っても、効果の低下はさほど認められず、実用上、穂いもちの防除適期幅の広がり示唆しています。箱施薬剤は、現在のいもち病防除法の中で、最も広域使用が容易な技術の一つです。図2はこの特徴を生かし、広域使用した場合の効果の安定・向上程度を見たものです。広域使用区のDr.オリゼ箱粒剤は、慣行区に接している孤立使用区と比較し、穂いもちの発生を優有意に抑えています。

図1【箱施薬剤を用いた際の穂いもち防除時期と効果(H10長野農事)】

図2【Dr.オリゼ箱粒剤の広域処理効果(H11長野農事)】

山形県

箱施用剤を広域に使用した場合、穂ばらみ後期の防除が省略可能か、隣接する二つの地域で慣行防除と比較検討しました。A地区(460ha)はDr.オリゼプリンス箱粒剤6を全面に使用し、B地区(520ha)はオリゼメート粒剤の水面施用、又は個人粉剤防除3回の体系です。両地区の葉いもちの発生状況を比較すると、2ヵ年ともA地区ではほとんど発生が認められないのに対し、B地区では7月中旬より発病が散見され、対応防除を行いましたが、全域での蔓延が認められました(表1)。1999年に庄内地域の1500haで箱粒剤を広域使用し、穂ばらみ後期の防除を省略する体系で防除が行なわれ、穂いもちの発生に問題はありませんでした。

表1【箱粒剤体系の葉いもちに対する防除効果】

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