散布技術の進化とオリゼメート 機械化の進展とともに

機械化の進展とともにオリゼメートを取り巻く環境も進化をしてまいりました。このコンテンツでは、その機械化の変遷とオリゼメート散布技術の進展、水稲作における農薬と散布機の現状と展望、そして有人ヘリコプターやラジコンヘリコプターを活用した空中散布をテーマにした内容をご紹介します。

5.側条施肥装置を用いた田植え同時処理技術

図5 乗用田植機のペースト肥料用側条施肥装置の例

乗用田植機には、田植えと同時に田面に肥料を散布する「側条施肥」装置が搭載されている機種がある(前記図2〜4の乗用田植機も同装置を搭載する機種である)。側条施肥は、いわば、肥料の「田植え同時処理」技術である。一般に、側条施肥は、田植えと同時に、苗が植付けられた田面の横方向に5cm程度離れた場所に深さ5cm程度の溝を切り、そこに粒状あるいはペースト状の肥料を土中に散布(注入)する技術である。ここで、粒状肥料用は、多種多様な肥料が利用でき、取扱いが容易である等の利点があるが、吸湿性が高く、雨天等の高湿度条件ではつまりが発生しやすい等の欠点がある。

一方、ペースト肥料は、液体であるため、湿度の影響を受けにくく、雨天でも使用可能である等の利点があるが、肥料は専用のものを選択する必要があり、選択の自由度が低い等の欠点もある。しかし、側条施肥用肥料の開発や施肥装置の改良も進み、効果が安定して発揮されることも確認された事から、徐々に乗用型田植機への装着比率が高まり、現在も普及が進んでいる。

このような状況の下、側条施肥用の粒状肥料においては、既存の農薬(殺菌剤例えば“プロベナゾール複合肥料”あるいは殺虫剤)の成分を予め含有した専用肥料が開発され、ペースト肥料においては、肥料用側条施肥装置のタンクに肥料を充填する直前に、既存の農薬(殺菌剤例えば“側条オリゼメート顆粒水和剤等”あるいは殺虫剤)をペースト肥料に混合して使用する技術が開発された。これによって、粒状肥料用とペースト肥料用のいずれの装置でも、田植え作業と同時に農薬を散布する事が可能となった。

粒状肥料用側条施肥装置においては、施肥作業として必要な肥料成分の肥料に、病害虫防除作業として必要な農薬成分が混合された製品を選定して使用する必要がある。また、ペースト肥料用側条施肥装置おいては、施肥用として選定した所定のペースト肥料とそれに混用して使用できる農薬中から所定の病害虫防除作業として必要な成分の農薬を選定して使用する必要がある。また、この時は、混合する作業が田植え作業直前に必要になるが、その作業についても、選定した農薬毎に予め決められた方法があるので、その方法に沿って行う必要がある。

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