いもちの素性を知る

第6章 発生予察

3. 情報の提供

情報の提供は農水省でほぼ統一した様式を採用しているが、最近では各県で知恵をしぼった情報を発表している例もみられる。定例的な発生予察と緊急な、或は発生動向に変化があった場合の情報に分けられる。

1)予報

病害虫の発生に関する情報が定期的に発表されるもので、一般には月1回程度発表されている。イネをはじめとして作物別、病害虫別に発生時期、発生地域、平年比較、防除の要否、防除方法、使用薬剤等の情報が記載されている。

2)警報

いもち病の大発生が予測され、直ちに防除する必要がある場合に発表される。これには発生現況から多発生の予測される地域、時期、程度、防除時期、方法など記載されている。

3)注意報

警報を発表するほどではないが、多発生が予想されて、早めの防除対策が必要と思われる場合や、従来の発生状況と異なる傾向を示し、今後その動向に注意する必要があるときに発表される。記載事項は警報に準ずる。

4)特殊報

新しい病害虫が発見されたり、あるいは発生の仕方が例年と異なる特異的な現象が認められたときに発表される。いもち病の場合は該当することは多くはないが、例えば補植用苗での発病が異常に多い時などが該当しそうである。

5)伝達

従来は情報は郵送されていたが、今日では植物防疫課と都道府県病害虫防除所を結ぶオンラインネットワークが整備されて、情報内容はもちろん、その根拠となった調査データについても相互伝達されるようになっている。地方においては警報、注意報のように緊急に伝達を必要とする情報においては、地元新聞社、テレビ局を通じて即刻伝えられるようになっているし、関係機関に対する伝達もファクシミリによる迅速な提供が実現されている。

このように情報の伝達においては、従来に比較して著しく改善され、利用者は「瞬時」にしてその入手が可能になってきた。しかし、問題はここから先のことだ。即ちその重要な予察情報を速やかに入手できたとしても、その予察情報が訴えている内容、対策が直ちに構築されて実行されるかどうかが最大の問題となる。

古くは予察情報ももつ意義は、「早期発見・早期防除」を可能にした現場の対応があったからこそその価値があったものと言うことができる。今日のように伝達までの「近代化」もそれが現場で活用されない予察情報である限り「絵に描いた餅」にしかすぎない・・・・・・とは言い過ぎであろうか。

現場における防除体制の崩壊は目を覆うものがある。共同防除組織が機能している数は僅少であり、存続していても老齢化が進んでいて、特定のリーダーのみに負担がかかっているのが現状である。

精度の高い情報の発表と迅速な伝達、的確な防除の対応・・・・・・効率的、経済的防除の実施が出来ない現状を嘆くのみである。

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