いもちの素性を知る

第6章 発生予察

6)予察情報に記載される主な用語について

これまでに発生予察の項で用いられている用語のうち、主なるものについてみると概略下記のように説明されているので参考までに記載する。

感染好適条件;

いもち病の全般発生開始期または急増期をもたらす気象条件をいう。このような気象条件が現れた日を感染好適日ともいう。アメダステータを利用した発生予察では、気温、降雨、風速、日照で計算するが、大まかには最低気温15~16℃で、夜間イネの葉が10時間以上継続して濡れている状態をさす。他の予測法では小林次郎氏が述べた「当日午後、翌日午前のいずれか、或はその両日が曇天もしくは雨天で、夜は結露がみられるか微雨、無風または微風で最低気温16℃以上」が感染好適条件となるから、これを参考にしてもよい。

全般発生開始期;

病斑密度、発生時期に関係なくひとつの地域内のほとんどの水田で発病している状態。広域的初発生期ともいう。その時期の病斑密度は10アール当り平均100個で、それは水田にはいり1,000株以上を注意深く観察してやっと病斑が見つかる程度である。病斑の色彩が斉一な孤立散在の状態で見い出される。感染好適条件が出現した日からほぼ7日後におこる。

散生病斑;

水田内に特定の伝染源がなく、病斑が散在してある状態をいう。全般発生開始期の病斑分布の特徴。1,000株をていねいに調査して1~2個の病斑が見つかる程度。

坪発生;

取置き苗や持ち込み(後述)等の特定の伝染源を中心として病斑が集中分布している状態。また、特定の伝染がなく、周囲よりやや高い密度で病斑分布をしている状態も示す。あわせて病斑が集中分布していることも表現することがある。

急増期;

一般には病斑が指数的に増加する時期。いもち病では全般発生開始期から約1週間後に起こり、その後も漸増期、急増期をくり返してまん延する。全般発生開始期を基準にし、約一週間後に次の世代の病斑が現われる時期を病斑の増加密度に応じて流行開始期、または発病増加開始期と呼び、茎葉散布を開始すべき時期にあたる。水田内では比較的容易に病斑が見つかる程度に高まる。おおよそ株当り0.1~1個の病斑。

持ち込み;

発病している苗や菌が侵入を終えて潜伏期間中の苗を本田に移植すること。本田での重要な伝染源となる。同様に苗を取置き曲として放置することは、持ち込み苗とは表現しないが、持ち込み以上の伝染源となる。

早期発生;

相対的に早い発生をあらわし、例年より全般発生開始期が早い場合も、全般発生開始期以前にまん延している場合のいずれも早期発生で、病理上の区別はない。しかし、全般発生開始期以前にまん延していることを示す場合は、防除上特別な対応が必要なので、岩手県ではそのことがわかるように表現することにしている。

図5. モデルの要因関連図(橋本ら 1982)

表6. 入力するデータとパラメータ

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