がん治療中に食欲がわかない原因
Qがんの治療をしているときに、食欲がわかなくなる原因を教えてください。
がんそのものの症状※や治療による影響、こころの変化などのさまざまな原因によって、食欲がわかなくなることが知られています。
がんそのものの症状※やがん治療、がんへの不安や恐怖といったこころの変化など、さまざまな原因によって食欲を調節するホルモンなどのバランスが崩れることがあります。その結果、脳の満腹に関連する部位が活発に働き、わずかな食事で満腹だと錯覚しやすくなります。一方で、食欲に関連する脳の部位があまり働かなくなり、空腹を感じにくくなります。
このように、満腹感と空腹感のバランスが悪くなり、食欲低下が引き起こされます。
がん治療における食欲低下の原因

上記以外の食欲低下の原因として、抗がん剤治療の影響が挙げられます。抗がん剤治療は、がん細胞だけでなく、全身の正常な細胞にも影響を与えることがあります。特に脳の吐き気を引き起こす部分に作用し、食欲低下を引き起こすことがあります。さらに、抗がん剤の影響を受けて消化管が傷つくと、吐き気、嘔吐や下痢が発生し、食欲低下につながります。
また、がんそのものの症状※も食欲に影響を与えることがあります。胃がんや大腸がんでは、初期症状が大きく影響することは少ないです。しかし、病状が進行すると痛みが生じて、食欲がなくなることがあります。肝臓がんやすい臓がんも、痛みや消化不良、肝機能の悪化により食欲が低下することがあります。
※がんの種類によっては、その症状が食欲などに影響しないこともあります。

症状ごとの食事の工夫については、以下のQ&Aを参照してください。