免疫ががんから体を守る仕組み
Q免疫ががんから体を守る仕組みについて教えてください。
A
免疫は、がん化した細胞を異物として認識して排除します。しかし、がん化した細胞はこの仕組みに適応して、免疫から逃れることで増殖してしまうのです。
私たちの体には、細菌やウイルスなどの異物を排除したり、がん化した細胞などを排除したりする体を守る仕組みがあり、この仕組みを免疫といいます。免疫には何種類もの免疫細胞が関わっています。そのうちの1つであるT細胞は、獲得免疫においてがん化した細胞を攻撃してがんの発症を防ぐ重要な役割を担っています。獲得免疫については、Q:免疫の仕組みを参照してください。

しかし、がん化した細胞はT細胞の攻撃を避けるためのさまざまな戦略を持っています。T細胞の働きが弱まったり、がん化した細胞がT細胞による攻撃にブレーキをかけたりすると、がん化した細胞を排除する免疫が働かなくなります。そして、がん化した細胞が増殖することで、がんを発症してしまいます。
