がん治療に伴うお口のトラブルの相談先
Qどこに相談すればよいのでしょうか?
?口腔乾燥
がんの治療によって唾液を作る細胞がダメージを受けると、唾液の分泌量が低下して口腔乾燥が生じます。
唾液には抗菌作用があり、口の中の細菌の増殖を防いでいます。そのため、唾液が不足して口が乾くと、虫歯や歯周病にかかりやすくなります。原因としては、抗がん剤などの薬剤、頭頸部(脳と目を除く首から上のすべての領域)の放射線療法の副作用のほか、ストレスや口呼吸などがあります。
軽度の場合は、口の中のネバネバ感や乾燥による違和感があります。歯垢や粘膜表面の付着物が増加していくと、口臭も強くなります。重度になると、舌表面のひび割れなども生じ、痛みで食事や会話に支障をきたします。口腔乾燥の状態を放置すると、口の中に多種多数存在する常在菌のバランスが崩れ、口腔感染症が起きやすくなります。
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?味覚障害
「甘味」、「塩味」、「酸味」、「苦味」などがわかりにくい(味覚鈍麻)、わからない(味覚消失)、異なる味に感じる(錯味)状態のことを味覚障害といいます。
味覚障害は、口の粘膜に存在する味を感じとる細胞(味蕾:みらい)が障害されたり、この細胞へ味物質が伝達されなかったりすることで生じます。加齢や薬剤によっても起こりますが、唾液の分泌量の低下、口の中の衛生状態の不良、神経系の異常、亜鉛の欠乏なども原因になります。特にがん治療においては、胃がんの手術、頭頸部(脳と目を除く首から上のすべての領域)の放射線療法、ある種の薬物療法で起こりやすくなります。薬物療法による味覚障害は一時的であることが多いですが、頭頸部の放射線療法では長期にわたって持続する場合も少なくありません。味覚障害は、食欲不振をまねき、栄養摂取量を減少させることにつながります。
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