「リフレックス®錠」の線維筋痛症患者を対象とした臨床試験開始のお知らせ

2010年06月17日 プレスリリース

明治製菓株式会社(代表取締役社長 佐藤尚忠 本社:東京都中央区)は、うつ病治療薬「リフレックス®錠」 (一般名:ミルタザピン)の適応拡大を検討しておりましたが、この度、線維筋痛症に対する有効性、安全性を検討する目的で、前期第II相臨床試験(探索的試験)を行うことを決定しましたので、お知らせいたします。

線維筋痛症は原因不明の全身性の疼痛疾患であり、全身性の痛みに加え、疲労感、不眠、不安感、抑うつ症状などの身体、精神症状や、過敏性腸症候群、膀胱炎様症状、頻尿など、多彩な随伴症状を呈することがあります。厚生労働省研究班の疫学調査によると、有病率は1.7%と高く国内の推定患者数は200万人以上とされております。長期間にわたる激しい痛みにより、患者の生活機能やQOLは著しく低下するため、社会的にも大きな問題となっております。

線維筋痛症には現在のところ根本的な治療法はなく、国内で線維筋痛症を適応として承認されている医薬品もありません。しかしながら一部の抗うつ薬は、国内外を問わず線維筋痛症の治療に広く使われております。ノルアドレナリン作動性・特異的セロトニン作動性抗うつ薬(NaSSA: Noradrenergic and Specific Serotonergic Antidepressant)である本剤は、セロトニン及びノルアドレナリン系の両神経伝達を促進し、これらの神経系を介して下行性疼痛抑制系を賦活し鎮痛効果を発揮するとともに、線維筋痛症患者の睡眠障害や抑うつ状態を改善することも期待されます。

当社は、「リフレックス®錠」の適応拡大を目指し、新たな薬物療法を一日も早く医療の場に提供できるように、開発を進めてまいります。

以上