光線力学的療法用剤「注射用レザフィリン®100mg」の化学放射線療法または放射線療法後の局所遺残再発食道がんに対する適応追加承認取得に関するお知らせ

2015年05月26日 プレスリリース

Meiji Seika ファルマ株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:小林大吉郎)は、5月26日、光線力学的療法用剤「注射用レザフィリン®100mg」(一般名:タラポルフィンナトリウム、以下レザフィリン)の化学放射線療法(CRT)または放射線療法(RT)後の局所遺残再発食道がん*に対する追加適応について、承認を取得しましたのでお知らせします。
なお、本剤を用いた光線力学的療法(PDT)に使用するPDT半導体レーザおよびプローブについては、パナソニック ヘルスケア株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:山根健司)が承認を取得しています。

PDTは、腫瘍親和性の高い光感受性物質を体内に投与し、レーザ光が照射された病変部位の腫瘍組織を変性・壊死させる局所治療法であるため、正常組織への影響が少なく、身体への負担が軽減された治療法として知られています。本剤は、PDT半導体レーザとの組み合わせにより2003年に早期肺がんを適応として、また2013年に悪性脳腫瘍を追加適応として承認されています。

2012年より京都大学、国立がん研究センター東病院を中心に医師主導治験として、CRTまたはRT後の局所遺残再発食道がん患者*に対するPDTの有効性および安全性について検討を実施しました。その成績をもとに当社が適応追加申請を行い、この度の承認取得に至りました。

当社は、局所遺残再発食道がんの治療における新たな選択肢として、レザフィリンおよびPDT半導体レーザを用いたPDTが医療現場に貢献できるものと期待しております。

以上

参考

食道がんの非外科的な治療法としてCRT、RTがあります。これらの治療法は、外科手術に比べて侵襲性が低く、機能温存可能な治療法です。しかし、食道がんが遺残あるいは再発した場合、早急な治療が必要となります。局所遺残再発病変に対する治療法としては、外科的切除、内視鏡的治療(EMRまたはESD)、化学療法などが試みられていますが、未だ標準治療とはなっていません。これらの理由から、CRTまたはRT後の局所遺残再発病変に対する治療法の確立が望まれておりました。なお、本剤は本疾患について、希少疾病用医薬品に指定されています。

Photodynamic therapy(PDT)について

光線力学的療法(Photodynamic therapy:PDT)はポルフィリン関連化合物などの腫瘍親和性光感受性物質と低出力レーザ光によって生じる光化学反応により殺細胞効果を引き起こす治療法です。PDTは高出力レーザによる焼灼・熱凝固、蒸散といった「焼く」治療法とは異なり、低エネルギーで病巣を選択的に治療する事が可能です。

医療関係者の方は下記より詳しい情報をご覧いただけます。

  • 本治療は、講習会等に参加し本剤を用いた光線力学的療法に関する手技及び同療法に伴う合併症等に関する十分な知識を得た上で実施可能となります。
  • 本治療には食道癌専用の「単回使用PDT半導体レーザ用プローブ」が必要です。