新規農業用殺虫剤Inscalis®(アフィドピロペン)BASF社による米国農薬登録取得のお知らせ

2018年10月03日 プレスリリース

Meiji Seika ファルマ株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:小林大吉郎、以下「Meiji」)は新規農業用殺虫剤Inscalis®(BASF登録商標、一般名:アフィドピロペン、開発番号:ME5343)のライセンス先であるBASF社(本社:ドイツ ルートヴィッヒスハーフェン、会長:マーティン・ブルーダ―ミュラー)が、2016年3月に米国環境保護庁に申請した農薬登録を、このたび取得しましたのでお知らせします。

アフィドピロペンは、Meijiと学校法人北里研究所(大村グループ)との共同研究により、微生物代謝産物から創出された既存薬剤とは全く異なる新規骨格を有する殺虫成分であり、IRAC(殺虫剤抵抗性対策委員会)により、新しい作用機構(サブグループ 9D)に分類されています。

本剤は、アブラムシ、コナジラミ、キジラミ等の吸汁性害虫に対して高い殺虫効果を示し、この度、米国では、大豆、ワタ、果樹類、野菜類での登録を取得しました。これらの害虫は、吸汁やウイルス病害の媒介により作物の収量や商品価値に影響を与え、既存薬剤に対する抵抗性問題も顕在化しています。本剤は、速効的な吸汁抑制作用によりこれらの害虫による被害を防ぎ、抵抗性を獲得した害虫にも高い効果を示します。さらに、ミツバチに対する影響が少なく、投下薬量も少ないため、環境に対する負荷の低い薬剤として、持続可能な農業の推進に貢献できる薬剤です。今後、最大市場の一つである米国において、種々の作物における農家のニーズに応えるために用意された2種の製品の広範な普及が見込まれます。

本剤は、本年7月、オーストラリアとインドで販売が開始され、今後、カナダ、メキシコ、アルゼンチンおよび中国等において登録取得を予定しています。

Meijiは、天然物からの創薬をコア技術として、今後も環境に配慮した安全性の高い新剤を創出し、農作物の安定生産と、世界の農業の発展による人びとの豊かな暮らしに貢献して参ります。

以上