がん治療薬「HBI-8000」の日本とアジアにおける独占的販売およびライセンス契約締結のお知らせ

2020年01月09日 プレスリリース

Meiji Seika ファルマ株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:小林大吉郎、以下「Meiji」)は、このたび、エピジェネティックな作用を有するイムノモジュレーター「HBI-8000」(開発コード)について、HUYA Bioscience International, LLC(本社:米国カリフォルニア州サンディエゴ、最高経営責任者兼エグゼクティブチェア:ミレイユ・ギリングス、以下「HUYABIO」)と、独占的販売およびライセンス契約を締結したのでお知らせします。

本契約の締結によりMeijiは、日本においてHBI-8000を独占的に販売する権利、およびアジア7カ国(韓国、タイ、インドネシア、マレーシア、フィリピン、ベトナム、シンガポール)において同剤を独占的に開発および販売する権利を獲得しました。同契約に基づきMeijiは、HUYABIOに対して契約一時金、開発段階と上市後のマイルストンおよびロイヤルティーを支払います。

HBI-8000は経口投与が可能であり、非臨床試験結果から遺伝子発現の制御を介して腫瘍細胞の増殖を抑制することが示唆される他、免疫調節作用も期待されています。HUYABIOは、日本において再発・難治の成人T細胞性白血病/リンパ腫(ATLL)にて製造販売申請を準備中であり、再発・難治の末梢性T細胞リンパ腫(PTCL)にて臨床第II相試験を実施しています。

なお、本剤は厚生労働省より、PTCLの治療に係る希少疾病用医薬品(オーファンドラッグ)の指定を受けています。さらに米国では、固形がんを対象とした臨床第I/II相試験が実施されています。

Meijiは、ATLLおよびPTCLで苦しむ患者さんのQOLと予後向上に貢献できるよう、HBI-8000の一日でも早い開発、普及を目指すとともに、がん治療薬ならびにがんの支持療法に用いられる感染症治療薬などの提供に全力で取り組んでまいります。

以上

参考

◆HUYA Bioscience International, LLCについて

所在地:
米国カリフォルニア州サンディエゴ
CEO:
ミレイユ・ギリングス
会社概要:
HUYA Bioscience Internationalは、中国で創出された新規バイオ医薬製品を国際展開しています。現在米国、日本、韓国に加えて中国国内8ヶ所にオフィスを構え、科学者と共にあらゆる治療分野を対象とする中国最大の新薬候補化合物ポートフォリオを用い、その中から有望な新薬候補化合物を厳選し、それらを世界的な開発に割り当てています。現在HUYABIOはパートナーと提携し主に腫瘍と心血管疾患を対象とした新薬候補化合物の初期・後期段階での開発を進めており、中国発の新規バイオ医薬品のイノベーションの価値創生を推進しています。HUYABIOについての詳細は、>をご参照ください。

◆HBI-8000について

HBI-8000はヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)を阻害するベンズアミド系の経口投与剤で、エピジェネティックな作用を有する新規の薬剤です。本剤は、クラスI(HDAC 1、2および3)とクラスIIb(HDAC10)を阻害することにより、腫瘍細胞のヒストンの脱アセチル化を阻害し、遺伝子発現を制御する働きを有します。その結果、腫瘍細胞の増殖停止、腫瘍免疫力の強化、がん微小環境に係る数種類のたんぱく質の発現に作用します。さらに、このメカニズムは免疫チェックポイント阻害剤を含む他の抗がん剤の効果を高める作用があることが示されております。