神戸医療産業都市推進機構とMeiji Seika ファルマとの共同研究により創出された免疫抑制作用を有する新規「抗PD-1アゴニスト抗体」に関するお知らせ
Meiji Seika ファルマ株式会社（本社：東京都中央区、代表取締役社長：小林大吉郎）と公益財団法人神戸医療産業都市推進機構（本部：兵庫県神戸市、理事長：本庶佑、以下「同機構」）は、同機構先端医療研究センター免疫機構研究部（部長：太田明夫）において実施中の共同研究（HBI※イノベーションプログラム：「PD-1の免疫抑制活性による自己免疫疾患を含む炎症性疾患の治療」）において、免疫抑制作用を誘導する新規の「抗PD-1アゴニスト抗体」を創出しました。このたび、共同研究成果の一部が、米国東部時間1月13日付の『サイエンス・イムノロジー』※※に掲載されましたのでお知らせします。詳細は同機構のホームページ（）をご覧ください。
今後、Meiji Seika ファルマと同機構は、共同研究より見出された候補抗体について、自己免疫疾患治療薬としての開発に向けた取り組みを進めます。
PD-1は活性化したT細胞などに発現し、免疫反応を抑制する機能をもつ分子です。PD-1の機能を阻害する抗体（抗PD-1ブロッキング抗体）は、がん細胞に対する免疫機能を賦活化することから、「免疫チェックポイント阻害剤」としてがんの治療に応用されています。
本庶佑理事長がプログラムディレクターを務めるこのたびの共同研究においては、これとは逆に、抗体がPD-1の機能を刺激し免疫抑制作用を誘導するために必要な条件を見出し、「抗PD-1アゴニスト抗体」を創出しました。「抗PD-1アゴニスト抗体」は自己免疫疾患など、過剰な免疫反応が原因となる炎症性疾患の治療薬への応用が期待されます。
Meiji Seika ファルマと同機構は、引き続き「抗PD-1アゴニスト抗体」に関する共同研究を進めるとともに、同抗体が自己免疫疾患に対する治療薬として早期に貢献できるよう努めてまいります。
以上
- ※：次世代医療開発センター（URL: ）
- ※※：10.1126/sciimmunol.add4947