インフルエンザとは
インフルエンザは、インフルエンザウイルスに感染することによって起こる病気です。咳や鼻水などを介する飛沫感染によって感染し、2日前後の短い潜伏期間の後に発症します。普通の風邪の多くは、のどの痛み、鼻汁、くしゃみや咳等の症状が中心で、全身症状はあまり見られませんが、インフルエンザは、38度以上の高熱、頭痛、関節痛、筋肉痛、全身倦怠感等の症状が比較的急速に現れるのが特徴です。併せて普通の風邪と同じように、のどの痛み、鼻汁、咳等の症状も見られます。発熱期間は3~5日ほどであることが多く、高熱が持続した後に解熱傾向に向かいます。
インフルエンザには、季節性インフルエンザと新型インフルエンザがあります。季節性インフルエンザは、日本で毎年冬(12月から3月が流行のシーズン)に流行するインフルエンザです。ただし、コロナ禍以降は、感染症の流行時期に変化があります。春にインフルエンザで学級閉鎖があるなど、流行期に関する概念も変化が起こっており、いつでも流行する可能性があります。新型インフルエンザは、これまでに人が感染したことのない新しいタイプのインフルエンザです。
季節性インフルエンザ
原因となるインフルエンザウイルスにはA、B、Cの3型があり、このうち大きな流行の原因となるのはA型とB型です。
A型は144種類もの型(亜型)に分けられますが、そのうち、人の間で流行しているのは、AH1亜型とAH3亜型(香港型)の2種類です。これらはそれぞれの中で、毎年のように小さい変異をしています。B型はこれまでに山形系統とビクトリア系統の2種類に分けられ、同様にその中でさらに細かいタイプに分かれます。
A型のAH1亜型とAH3亜型、B型が同時期に流行することがあるため、同じシーズン中にA型インフルエンザに2回かかったり、A型インフルエンザとB型インフルエンザにかかったりすることがあります。
新型インフルエンザ
新型インフルエンザは、毎年流行を繰り返してきたインフルエンザウイルスとウイルスの抗原性が大きく異なる新型のウイルスが出現することにより、およそ10年から40年の周期で発生しています。ほとんどの人が新型のウイルスに対する免疫を獲得していないため、世界的な大流行(パンデミック)となり、大きな健康被害とこれに伴う社会的影響をもたらすことが懸念されています。
出典:厚生労働省ホームページ
(https://www.mhlw.go.jp/bunya
/iyakuhin/file/dl/File01.pdf)より編集
内閣官房ホームページより編集
新型インフルエンザ等について|内閣官房新型インフルエンザ等対策室(cas.go.jp)
インフルエンザ
ワクチンの
接種について
インフルエンザから身を守るためには、適切な手洗いや健康管理だけでなく予防接種で予防することが重要になってきます。ここではインフルエンザワクチンの接種についてご紹介します。
季節性インフルエンザ
日本での季節性インフルエンザワクチンの接種回数は、13歳以上の方は1回接種が原則です。6ヵ月以上13歳未満の方は2回接種とされています。
65歳以上の方や60~64歳で心臓や腎臓、呼吸器の病気や人免疫不全ウイルスによる免疫不全のある方は、インフルエンザにかかると重症化しやすく、インフルエンザワクチン接種による重症化の予防効果による便益が大きいと考えられるため、定期の予防接種の対象となっており、費用の一部を公費負担で受けることができます。
重症化リスクの高い人々をインフルエンザから守るためにも、多くの人が予防に心がけ、自らのインフルエンザ罹患を回避するだけでなく、他人にうつさないようにすることも大切です。
リンク:重症化しやすい人に、インフルエンザをうつさない!
https://www.kmbiologics.com/influenza/
新型インフルエンザ
新型インフルエンザの発生時において国民の生命や健康を保護し、国民生活や国民経済に及ぼす影響を最小にすることを目的として、平成25年4月に「新型インフルエンザ等対策特別措置法」が施行されました。第46条に住民に対して実施する予防接種について定められており、「新型インフルエンザ等対策政府行動計画」、「新型インフルエンザ等対策ガイドライン」において、必要な場合には緊急かつ可能な限り多くの国民にワクチンを接種することとされています。
感染症対策
インフルエンザから身を守るためにはワクチン接種だけでなく、日ごろの適切な手洗いや咳エチケットの意識が大切になります。
インフルエンザ
ワクチンの効果と
安全性について
インフルエンザワクチンの効果は発症予防だけでなく、重症化予防が期待されます。
ワクチンの接種を受けた高齢者は死亡の危険が1/5に、入院の危険が約1/3から1/2まで減少することが期待できるとされています。また子どもは罹患すると重症化するリスクがあり、流行の有無にかかわらずしっかり対策を行い、準備しておくことが大切です。
現行のワクチンの安全性は高いと評価されています。しかし、インフルエンザワクチンには副反応があります。副反応の多くは、接種した局所の赤み、はれ、痛みなどが挙げられますが、2~3日で軽快します。長引く場合は、医療機関へ相談しましょう。また、まれではありますがアナフィラキシー症状が見られることもあります。アナフィラキシーは、接種後比較的すぐに起こることが多いことから、接種後30分間程度は接種した医療機関内で体調を観察することが望ましいです。帰宅後に副反応が出た場合は、すぐに医療機関やかかりつけ医師に連絡しましょう。
インフルエンザワクチンの
副反応疑い報告基準
アナフィラキシー
4時間   
急性散在性脳脊髄炎
(ADEM)
28日   
脳炎・脳症
28日   
けいれん
7日   
脊髄炎
28日   
ギラン・バレー症候群
28日   
視神経炎
28日   
血小板減少性紫斑病
28日   
血管炎
28日   
肝機能障害
28日   
ネフローゼ症候群
28日   
喘息発作
24時間
間質性肺炎
28日   
皮膚粘膜眼症候群
28日   
急性汎発性発疹性
膿疱症
28日   
その他の反応
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健康上の問題が起こったら
ワクチン接種後は、接種部位の腫れ、痛み、発熱、頭痛などの副反応が起こることがあります。「これって副反応かな?」と思ったら、まずは、接種した医療機関やかかりつけ医に相談しましょう。また、予防接種による健康被害に対しては、予防接種法に基づく救済制度も設けられています。
ワクチンを接種して
「もしかして副反応?」
「なんだか変だな」と感じた時に
確認しましょう。
副反応について相談したい
くすり相談窓口
副反応とその対処について知りたい
重篤副作用疾患別対応マニュアル
副反応を報告したい
患者の皆様からの医薬品副作用報告
健康被害の
救済制度の内容については
こちらをご参照ください
定期接種の救済について
厚生労働省ホームページ
(予防接種健康救済制度)
任意接種の救済について
PMDAホームページ
(医薬品副作用被害救済制度)
(2023年5月現在)
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