感染しないために
感染対策の基礎知識
感染症を防ぐ最も効果的な方法は、何よりもまず「かからない」こと。
手洗い、換気、消毒など、毎日のくらしの中でできる予防の工夫を、家族みんなでできるようにわかりやすくまとめました。
感染症を防ぐ最も効果的な方法は、何よりもまず「かからない」こと。
手洗い、換気、消毒など、毎日のくらしの中でできる予防の工夫を、家族みんなでできるようにわかりやすくまとめました。
「どこからウイルスや菌が入ってくるか(=感染経路)」を知ることが、感染対策の第一歩です。
飛沫感染(ひまつかんせん) くしゃみやせき、会話などで飛んだ唾液のしぶきを吸いこむことで感染します。マスクの着用や、せきエチケットが大切です。
接触感染(せっしょくかんせん) ウイルスや菌がついた手で目・鼻・口を触ることで感染します。たとえばドアノブやおもちゃなどを介して広がることも。こまめな手洗いが有効です。
空気感染(くうきかんせん) 空気中にただよう小さな粒子(飛沫核)を吸いこむことで感染します。十分な換気が重要です。
経口感染(けいこうかんせん) ウイルスや菌が口から入ってくることで感染します。食材の加熱や調理器具の衛生管理も対策になります。
感染経路を知っていれば、家族のくらしに合った対策を選びやすくなります。
感染症から家族を守るために、特別なことをしなくても、毎日の暮らしの中でできることがたくさんあります。ここでは、家庭で取り入れやすい基本的な対策をご紹介します。
こまめな手洗い
手洗いは感染予防の基本中の基本。外から帰ったとき、食事の前、トイレの後などにこまめに洗うことが大切です。
普通の固形石けんや液体石けんでOKです(「殺菌成分入り」でなくても十分効果があります)。
お子さんには泡タイプが扱いやすく、手洗いの習慣づけにも◎。
洗うときは、指先や爪の間、手首までしっかり洗いましょう。洗う時間は15~30秒を目安に、歌を歌いながら楽しく習慣化するのもおすすめです。
換気と加湿
換気は、1〜2時間ごとに5〜10分を目安に、窓を開けて空気を入れ替えましょう。対角線上の2か所の窓を開けると、効率よく空気が流れます。
冷暖房中は、窓を少しだけ開けて、扇風機やサーキュレーターで空気を循環させると◎。
暑い夏は外の気温が高い時間を避けて、早朝や夕方に換気するのもポイントです。
また空気が乾燥すると、のどや鼻の粘膜の働きが弱まり、インフルエンザにかかりやすくなります。冬は特に乾燥しやすいので、加湿器などで湿度を50~60%に保つことが効果的です。
せきエチケット(マスク)
せきや、くしゃみをするときは、口と鼻をティッシュや腕で覆いましょう。
症状があるときや人混みでは、マスクの着用も効果的です。飛沫の飛散や吸い込みを防ぐことで、感染の広がりを抑える役割があります。
マスクは、すき間ができないサイズを選ぶ(とくに子どもは顔に合ったサイズが重要)ことが大切です。不織布マスクは、布やウレタンよりフィルター効果が高いとされています。
お子さんにマスクをつけさせるときは、無理に長時間つけさせるのではなく、場面に応じて(人混み・病院など)使い分けることが大切です。
息苦しさがないか、熱がこもっていないかをこまめにチェックしましょう。
体調のセルフチェック 「なんとなくだるい」「寒気がする」「子どもの食欲がない」など、小さな変化が感染症の初期サインのことも。家族の体調の変化に敏感になることで、早めの対応が可能になり、感染拡大の防止につながります。
テレビやCM、薬のパッケージなどで見かける「消毒・殺菌・滅菌」という言葉。意味が少しずつ違います。
普段の生活では、「手すり」「ドアノブ」「おもちゃ」など、よく触れるところを消毒することが感染予防になります。
消毒(しょうどく)
病原体(ウイルスや細菌など)をある程度減らして、健康に害が出ないレベルにすること。普段の生活では「消毒」が最もよく使われます。
アルコール消毒や次亜塩素酸ナトリウム(漂白剤)などが使われます。
殺菌(さっきん) 菌を殺す(減らす)ことですが、「どのくらい殺すか」は定義されていません。市販のスプレーやハンドソープなどでよく見かけます。
滅菌(めっきん) ウイルス・細菌などを完全にゼロにすること。医療の現場などで行われます。一般家庭で行うことはほとんどありません。
どんなに気をつけていても、目に見えないウイルスや細菌の感染を完全に防ぐことはできません。
もし感染したとしても、発症や重症化を防ぐことがワクチンのいちばんの目的です。
ワクチンで防げる感染症をVPD(Vaccine Preventable Diseases)と呼び、インフルエンザ、新型コロナウイルス、麻しん、風しん、ポリオ、水ぼうそう、ジフテリアなどの感染症が該当します。
これらの病名を聞いても「幼い頃にワクチン接種をしているから問題ない」と思われるかもしれませんが、予防接種による免疫力は、時間の経過と共に弱くなるものもあります。
大人になって感染症にかかると重症化したり、合併症を引き起こしたりする場合もあるため注意が必要です。
様々なワクチンが開発され、予防できる感染症が増えてきています。
自分だけでなく、家族や周りの人のためにもワクチン接種で感染症を予防しましょう。
出典:厚生労働省「感染症情報」より当社作成
監修医師:中野 貴司 川崎医科大学 小児科学特任教授、日本小児科学会 小児科専門医・指導医、日本感染症学会 感染症専門医・指導医、ICD制度協議会 インフェクションコントロールドクター
【次世代の国産ワクチンをつくる。】
— Meiji Seika ファルマ株式会社 (@Meiji_Seika_p) October 30, 2024
コロナ禍以降も、エムポックス、デング熱などの感染症が発生しています。明日、新たな感染症や再興感染症のパンデミックが発生する可能性だってゼロではありません。… pic.twitter.com/poJnEiwwDD