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1ワクチンの種類
ワクチンは、「生ワクチン」、「不活化ワクチン」、「トキソイド」、「組換えタンパクワクチン」、「mRNAワクチン」、「ウイルスベクターワクチン」等にわけられます。「トキソイド」や「組換えタンパクワクチン」は、広義では「不活化ワクチン」に含まれます。また、ワクチンの種類ごとに製造方法や体の中で働く機序が異なり、それぞれ特徴があります。

代表的なワクチンの種類と仕組み

生ワクチン
仕組み 病原性を弱めた病原体からできています。接種すると、その病気に自然にかかった場合と同様の機序で免疫力がつくことが期待できます。
不活化ワクチン・組換えタンパクワクチン
仕組み 感染力をなくした病原体や、病原体を構成するタンパク質からできています。1回接種しただけでは必要な免疫を獲得・維持できない場合が多いため、一般に複数回の接種が必要です。
トキソイド
仕組み 細菌の毒素(トキシン)を取り出し、無毒化したものです。複数回の接種で免疫がつきます。
mRNAワクチン(メッセンジャーRNA)ワクチン
仕組み ウイルスを構成するタンパク質の遺伝情報が含まれています。その遺伝情報をもとに、体内でウイルスのタンパク質が作られ、それに対する免疫を獲得します。
日本で接種可能なワクチンの一覧
【定期接種】【臨時接種】
(対象年齢は政令で規定)
生ワクチン
  • BCG
  • 麻疹・風疹混合(MR)
  • 麻疹(はしか)
  • 風疹
  • 水痘
  • ロタウイルス:1価, 5価
不活化ワクチン・トキソイド
  • 百日咳・ジフテリア・破傷風・
    不活化ポリオ混合(DPT-IPV)
  • 百日咳・ジフテリア・破傷風混合(DPT)
  • ポリオ(IPV)
  • ジフテリア・破傷風混合トキソイド(DT)
  • 日本脳炎
  • 肺炎球菌(13価結合型)
  • インフルエンザ菌b型(Hib)
  • B型肝炎
  • ヒトパピローマウイルス(HPV):
    2価, 4価, 9価
  • インフルエンザ
  • 肺炎球菌(23価來膜ポリサッカライド)
  • 新型コロナ
mRNAワクチン・ウイルスベクターワクチン
  • 新型コロナ
【任意接種】
生ワクチン
流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)
黄熱
帯状疱疹(水痘ワクチンを使用)
不活化ワクチン・トキソイド
破傷風トキソイド
成人用ジフテリアトキソイド
A型肝炎
狂犬病
髄膜炎菌:4価
帯状疱疹
肺炎球菌(15価結合型)
※定期接種を対象年齢以外で受ける場合

出典:国立感染研究所ホームページ

(2023年4月現在)
接種方法
ワクチンの接種方法には、注射(皮内注射、皮下注射、筋肉内注射)、経皮接種、経口接種、経鼻接種などがあります。新型コロナワクチンは、主に「筋肉内注射」で行われていますが、日本のワクチンの多くが「皮下注射」となっています。

「皮下注射」は、針を皮膚に対し斜めに刺し皮膚と筋肉の間にある皮下組織に注射します。日本の季節性インフルエンザワクチンや他のワクチンの多くがこの方法をとっています。

「筋肉内注射」は、皮下脂肪の奥にある筋肉内に注射します。
(Centers for Disease Control and Prevention).
Epidemiology and prevention of vaccine
preventable diseases. 14th ed.: Dept. of Health &
Human Services, Public Health Service;
2021.
2副反応について
「副反応」については、気にされる方がとても多いと思います。「副反応」や「副作用」、「有害事象」の違い、その基本的な知識を正しく理解し、今後のワクチン接種に役立てましょう。
「有害事象」とは、ワクチンを含む医薬品の使用後に起きた身体に好ましくない事柄のことを指します。「有害事象」はワクチン接種に因果関係があるかどうかによりません。「副反応」とは、「有害事象」の中でワクチン接種と因果関係のあるものをさします。一方、副反応と似た用語である「副作用」は、ワクチン以外の医薬品に対して使われ、目的としていた作用以外に別の作用が起ることです。
副反応のベン図
健康上の問題が起こったら
ワクチン接種後は、接種部位の腫れ、痛み、発熱、頭痛などの副反応が起こることがあります。「これって副反応かな?」と思ったら、まずは、接種した医療機関やかかりつけ医に相談しましょう。また、予防接種による健康被害に対しては、予防接種法に基づく救済制度も設けられています。
ワクチンを接種して
「もしかして副反応?」
「なんだか変だな」と感じた時に
確認しましょう。
副反応について相談したい
副反応とその対処について知りたい
健康被害の
救済制度の内容については
こちらをご参照ください
(2023年5月現在)
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