これって感染症?

咽頭炎の症状と予防・治療の基本ガイド

「のどが痛い」「飲み込むのがつらい」といった症状は、風邪のひきはじめによくあるサインです。一般的に「のど風邪」と呼ばれるものの多くは、医学的には「咽頭炎(いんとうえん)」や「扁桃炎(へんとうえん)」に分類されます。
「抗生物質は必要?」「子どもにうつる?」といった疑問や、受診の目安、ご家庭でのケア方法について、わかりやすく解説します。

これって咽頭炎?症状チェック

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「咽頭(いんとう)」とは、鼻の奥から食道につながる部分、いわゆる「のど」全体のことです。ここにウイルスや細菌が感染して炎症が起きた状態を咽頭炎と呼びます。
一方、のどの奥の左右にある「扁桃(へんとう)」が赤く腫れ、白い膿(うみ)がつくような状態を扁桃炎と言います。これらは合併することも多く、広い意味での「急性咽頭・扁桃炎」として扱われることが一般的です。

  • のどがイガイガする、つばを飲み込むと激しく痛む
  • 声が枯れる、声が出しにくい、首のリンパ節が腫れて痛む
  • 発熱(微熱や熱なしの場合もある)咳、頭痛、耳の痛み など

原因によって症状が少し違います。
原因の多くはウイルスですが、「溶連菌(ようれんきん)」などの細菌が原因となる場合もあります。

ウイルス性(風邪など) 一般に、咳や鼻水、声がれなどを伴うことが多いです。

細菌性(主に溶連菌) 「急な38度以上の発熱」「咳がない」「首のリンパ節が痛む」「のどに白い膿がついている」 といった特徴がある場合、細菌感染の可能性が高くなります。

いつ受診すべき?検査方法は?

のどの痛みは1~2週間程度で自然に治ることも多いですが、個人差があり無理は禁物です。特に小さなお子さんや、仕事や家事、育児などで休めない方は早めの判断が大切です。

以下の症状がある場合は、我慢せずに耳鼻咽喉科やかかりつけ医を受診してください。

  • 痛みが強くて、水や食事が飲み込めない(脱水の危険があります)
  • 口が開けにくい、息が苦しい
  • 高熱(38度以上)が続く
  • 扁桃や首が極端に腫れている(扁桃周囲膿瘍の可能性があります)
  • 症状が長く続く、または繰り返す(慢性咽頭炎や、まれに腫瘍などが隠れている可能性があります)

どんな検査をするの? 細菌感染(特に溶連菌)が疑われる場合は、のどの粘膜を綿棒でこすって調べる「迅速抗原検査」を行うことがあります。結果はすぐに分かります。
細菌性ではないと判断された場合、基本的に詳しい検査は行わず、症状に合わせた治療を行います。
新型コロナウイルス感染症やインフルエンザの可能性が疑われる場合も、同様に検査キットで確認することがあります。

主な感染対策・予防法は?

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咽頭炎の原因となるウイルスや細菌は、咳やくしゃみなどの飛沫(ひまつ)や、ウイルスがついた手で触れることで人から人へ「うつる」可能性があります。
特に子どもから大人へ、家庭内で感染が広がることも珍しくありませんので、基本的な感染症対策を心がけましょう。 手洗い・マスク 飛沫感染・接触感染の予防に。

換気 夏や冬はエアコン使用で換気が特に不十分になりがちです。24時間換気システムや換気扇、窓を開けるなどの方法で、意識的に換気を行いましょう。

感染対策の基礎知識

のどを守るためのポイント 乾燥を防ぐ 乾燥はのどの大敵です。加湿器を使ったり、濡れタオルを室内に干したりして湿度を保ちましょう。

鼻呼吸を意識する 口呼吸をしていると、冷たく乾燥した空気が直接のどに当たり、炎症が悪化しやすくなります。鼻呼吸を意識しましょう。

刺激を避ける タバコの煙(受動喫煙含む)やアルコールはのどの粘膜を傷つけ、炎症の原因になります。

治療方法とご家庭でのケア

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「早く治したいから抗菌薬(抗生物質)が欲しい」と思うかもしれませんが、原因によって治療法は異なります。

ウイルス性の場合 抗菌薬(抗生物質)は効きません。
基本的には、痛みや熱を和らげるお薬(鎮痛解熱剤)や、のどの炎症を抑えるお薬を使って、自分の免疫力で回復するのを待ちます。

細菌性(溶連菌など)の場合 抗菌薬(抗生物質)による治療が必要です。溶連菌の場合、リウマチ熱などの合併症を防ぐため、症状が良くなっても処方された期間はしっかり薬を飲み切ることが重要です。
小児、特に乳幼児に対して特定の抗菌薬を使用する場合、低血糖などの副作用が出やすくなることがあります。医師の指示に従ってください。

感染症治療の基礎知識

市販薬は使える? すぐに受診できない夜間などは、のどの痛みに効く市販の鎮痛薬やトローチを使用しても構いませんが、長引く場合は必ず受診してください。

ご家庭でのケアのポイント

  • こまめに多めに水分をとる
  • 食事は、のどごしが良く、刺激の少ないもの(ゼリー、プリン、おかゆ、冷ましたうどんなど)を選ぶ。熱いものや辛いものは痛みを強めます。

監修医師:中野 貴司 川崎医科大学 小児科学特任教授、日本小児科学会 小児科専門医・指導医、日本感染症学会 感染症専門医・指導医、ICD制度協議会 インフェクションコントロールドクター

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