これって感染症?

肺炎の症状と予防・治療の基本ガイド

「風邪にしては咳が長引いている」「熱が下がらない」そんな症状でお悩みではありませんか?
肺炎は、細菌やウイルスなどが肺に入り込んで炎症を起こす感染症です。特に抵抗力が弱い乳幼児や高齢者は重症化しやすいため注意が必要です。
「マイコプラズマ肺炎」や、高齢者の肺炎球菌ワクチンなど、知っておきたいポイントを分かりやすくまとめました。

これって肺炎?症状チェック

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肺炎の症状は、原因となる病原体(細菌、ウイルス、細菌の一種であるマイコプラズマなど)や年齢によって少しずつ異なります。風邪と似ていますが、以下の特徴的な症状がないかチェックしてみましょう。

  • 咳や痰(たん)が長引く
  • 膿のような黄色や緑色の痰がでる
  • 発熱(高齢者などは熱なしの場合もある)、息苦しい、息が荒くなる
  • 呼吸するとゼーゼー、ヒューヒューとした音がする
  • 咳をしたり息を吸うと胸が痛む

マイコプラズマ肺炎にも注意 お子さんや若い世代に多いのが「マイコプラズマ肺炎」です。マイコプラズマ肺炎は季節を問わず感染しますが、特に秋から冬にかけて流行しやすいのが特徴です。
発熱やだるさといった風邪のような症状に加え、熱が下がった後も1ヶ月近くしつこい咳が続くことがあります。
多くは軽症ですみますが、まれに重症化して肺炎が悪化したり、中耳炎や、心臓・神経に関わる病気(心筋炎・髄膜炎など)を引き起こしたりすることもあるため注意が必要です。

いつ受診すべき?検査方法は?

マイコプラズマ肺炎の場合、学校や家庭内でうつる可能性がありますが、潜伏期間は2〜3週間と長いです。
診断を受けることで適切な治療につながるだけでなく、周囲への感染拡大を防ぐことにも役立ちます。

「様子を見ていいの?」「すぐに病院へ行くべき?」と迷ったときは、以下のサインを見逃さないようにしましょう。
特に小さなお子さんや高齢者は重症化しやすいため、注意が必要です。

  • 息が早い、肩で息をしている
  • 激しい咳が止まらない
  • 息を吸うときに胸がペコっとへこむ(陥没呼吸)
  • ぐったりしていて水分や食事がとれない
  • 意識がぼんやりしている
  • 風邪薬を飲んでも改善しない

どんな検査をするの? 医師の診察に加え、胸部のレントゲン検査や血液検査、原因となっている菌やウイルスを調べる検査などを行うことがあります。

主な感染対策・予防法は?

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肺炎の原因菌は、咳やくしゃみなどの飛沫や、病原体の付着した手指などを介した接触によって感染します。
学校や幼稚園、保育園といった集団生活の場や、ご家庭内での感染がよく見られるので、日頃のケアとワクチン接種が予防の鍵です。

ワクチンによる予防 肺炎の原因として多い「肺炎球菌」などは、ワクチンで予防したり、重症化を防いだりすることができます。

お子さん 小児の肺炎球菌ワクチンは、生後2か月から接種(定期接種)が始まります。2024年10月から、より幅広い種類の菌に対応できる『20価ワクチン』が基本となっています。
また、インフルエンザやはしか(麻しん)、百日咳などのワクチンを受けておくことも、肺炎を防ぐための有効な手段です。

高齢者(定期接種) 65歳の方などは、高齢者用肺炎球菌ワクチンの定期接種対象となります。

感染症予防の基礎知識

日常の感染対策 こまめな手洗い 手洗いは感染予防の基本中の基本。外出から帰ったとき、食事の前、トイレの後などにこまめに洗うことが大切です。

せきエチケット(マスク) せきや、くしゃみをするときは、口と鼻をティッシュや腕で覆いましょう。
症状があるときや人混みでは、マスクの着用も効果的です。飛沫の飛散や吸い込みを防ぐことで、感染の広がりを抑える役割があります。

環境づくり 栄養バランスの取れた食事や、室内の空気の入れ替えも大切です。
お子さんの場合、受動喫煙を防ぐことや、母乳育児が肺炎のリスク低下につながります。

感染対策の基礎知識

治療方法とご家庭でのケア

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肺炎と診断された場合、原因に合わせた治療が行われます。 抗菌薬(抗生物質) 細菌性肺炎やマイコプラズマ肺炎の場合、適切な抗菌薬(抗生物質)が処方されます。医師の指示通りに最後まで飲みきることが大切です。

感染症治療の基礎知識

入院治療 呼吸が苦しい、食事がとれないなど症状が重い場合や、合併症の心配がある場合は、入院して酸素投与や点滴などの治療を行うことがあります。

自然治癒する? 健康な子どもであれば、免疫力によって自然に回復することもありますが、薬を使わないと治りにくい細菌性の肺炎もあります。
自己判断せず、医師の診察を受けることが「治るまでの期間」を短くする近道です。

ご家庭でのケアのポイント

  • 無理をせず、十分な睡眠と水分をとって体を休める
  • タオルは共用とせず、各人が別のものを使う
  • 看病をする方も手洗いを徹底する

監修医師:中野 貴司 川崎医科大学 小児科学特任教授、日本小児科学会 小児科専門医・指導医、日本感染症学会 感染症専門医・指導医、ICD制度協議会 インフェクションコントロールドクター

これって感染症? 肺炎の症状と予防・治療の基本ガイド