これって感染症?

新型コロナウイルス感染症の症状と予防・治療の基本ガイド

新型コロナウイルス感染症は、いまや「身近な感染症」になりましたが、感染力が強く、知らないうちに広げてしまうことがあるのが怖いところ。
「うつったかも?」という不安に、早めに対処できる準備が安心につながります。

これって新型コロナ?症状チェック

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新型コロナウイルス感染症の症状は、人によってさまざまで、かぜのような軽い症状から、強い発熱や呼吸器症状まで幅広いのが特徴です。以下のような症状があれば、感染を疑って行動しましょう。

  • せき、のどの痛み、鼻水などのかぜ症状
  • 37.5度以上の発熱
  • 全身のだるさ
  • 味やにおいを感じにくくなる(味覚・嗅覚障害)
  • 頭痛、筋肉痛
  • 子どもでは下痢、腹痛などの胃腸症状が目立つことも

特に、高齢の方や持病のある方、小さなお子さんは注意が必要です。

潜伏期間は?登園・登校はいつから?

潜伏期間とは、ウイルスが体に入ってから、実際に症状が出るまでの期間のこと。新型コロナウイルス感染症の場合は、1〜5日程度(平均2〜3日)です。時に、感染しても症状が出ない「無症状感染」もあります。
最近の主な流行株(オミクロン株など)では、発症までの期間、すなわち潜伏期間の短い傾向があり、「昨日会った人が陽性だった→今日自分が発症」というケースも珍しくありません。

家庭内感染の場合、感染がわかった人の発症日から1〜3日後に、他の家族が発症するケースが多いです。
ただし、症状が出る前から感染力があるため、同居家族の誰かが陽性になったら、その時点で他の家族も「すでに感染しているかもしれない」前提で、感染対策を励行しましょう。

文部科学省のガイドラインによると、発症後5日経過していて、かつ、症状が軽快して(熱が下がり、症状が苦にならない状態)24時間以上たっていることが、登校や登園の目安です。
「発症から5日」と「軽快後24時間」の両方を満たすことが必要です。

現在、濃厚接触者という考え方は原則として撤廃されていますが、保育園や学校によっては家庭内感染時の登園自粛を勧められることがあります。園や学校にご確認ください。
※会社の場合も、医師の指示を受けてから復帰するのがベストです。

いつ受診すべき?検査方法は?

新型コロナウイルス感染症は、夏でも秋でも、一年中感染の可能性がある病気です。
こんなときは、季節を問わず、迷わず受診してください。

  • 高熱(38度以上)が続く
  • 呼吸が早い、苦しそう
  • 顔色が悪い、ぐったりしている
  • 水分がとれず、尿の回数が少ない
  • 持病があり、症状が悪化している など

年少のお子さんや高齢の方、持病がある方は、早めの受診が安心です。

新型コロナウイルス感染症の検査は、大きく2つの方法があります。

抗原検査鼻の奥からぬぐい液を取って、ウイルスの有無を調べます。15〜30分程度で判定が出ます。
発熱などの症状が出てから12時間程度以上たったタイミングが望ましいです。

PCR検査唾液などの検体からウイルスの遺伝子を調べます。精度は高いですが、判定まで数時間~1日かかります。感染の疑いがある時に早めに実施することで、より正確に判定ができます。

主な感染対策・予防法は?

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基本の感染対策・予防法 ワクチン接種 新型コロナワクチンは発症や重症化のリスクを下げる効果があります。

手洗い・マスク飛沫感染・接触感染の予防に

加湿と換気寒い時期は、室温が下がりすぎないように気をつけながら換気をしたり、湿度を40%以上に保つことが、新型コロナウイルスの感染拡大防止に効果的です。

家庭内での注意点 家族の中で誰かが感染した場合、必要性に応じて、部屋を分ける・食事やタオルを共用しないなど、「うつさない・うつらない」工夫が必要です。
こまめな消毒(ドアノブ、スマホ、スイッチなど)も有効です。

集団生活では お子さんが通園・通学している場合は、集団生活における感染対策の規定などを再確認しましょう。

ハイリスク者を守る心がけ 妊婦さんや高齢の家族がいる家庭では、重症化のリスクがある人を守る意識も大切です。

感染症予防の基礎知識

治療方法とご家庭でのケア

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軽症であれば、自宅療養(対症療法)が中心です。薬を使用する場合は、医師の判断に従ってください。

  • 解熱鎮痛薬(アセトアミノフェンなど)で熱や頭痛をおさえる
  • 去たん薬・せき止めなどの対症療法
  • 個々の患者の症状などに応じて使用される抗ウイルス薬、また、その他の治療薬もあります。詳細は病状により医療機関で相談することになります。

ご家庭でのケアのポイント

  • こまめな水分補給と安静が大切
  • 発熱がつらいときは脇や首を冷やす
  • 子どもは高熱でも元気なら様子見でよい場合もあります。解熱剤は種類によっては子どもには向かないものもあるので、医師の指示に従ってください。

症状が急に悪化したり、呼吸が苦しそうな場合は、すぐに医療機関を受診してください。

感染症治療の基礎知識

出典:厚生労働省「新型コロナウイルス感染症について」より当社作成

監修医師:中野 貴司 川崎医科大学 小児科学特任教授、日本小児科学会 小児科専門医・指導医、日本感染症学会 感染症専門医・指導医、ICD制度協議会 インフェクションコントロールドクター

これって感染症? 新型コロナウイルス感染症の症状と予防・治療の基本ガイド