選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI)「ルボックス®/デプロメール®」の小児強迫性障害治療に対する承認取得 -小児の強迫性障害に対し使用可能な初めてのセロトニン再取り込み阻害薬-

2017年07月03日 プレスリリース

アッヴィ合同会社(本社:東京都港区、社長:ジェームス・フェリシアーノ、以下アッヴィ)とMeiji Seika ファルマ株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:小林 大吉郎、以下Meiji)は、2017年7月3日、「フルボキサミンマレイン酸塩」(一般名、販売名:ルボックス®錠25,ルボックス®錠50、ルボックス®錠75/アッヴィ、デプロメール®錠25、デプロメール®錠50、デプロメール®錠75/Meiji、以下フルボキサミン)について、小児の強迫性障害治療に対する承認を取得しました。今回の承認取得により、「ルボックス®/デプロメール®」は、日本において小児の強迫性障害に対して使用可能な初めてのSSRI(選択的セロトニン再取り込阻害薬)となります。

フルボキサミンは、1999年に日本では最初のSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害剤)として発売、現在、成人に対する「うつ病・うつ状態」、「強迫性障害」ならびに「社会不安障害」の適応で販売されています。また、日本を含む約110ヵ国で販売されています。

フルボキサミンの小児の強迫性障害に対する適応は、欧米など約90ヵ国で承認されています。日本では、「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」における検討の結果、医療上の必要性が高いという評価が得られたことから、厚生労働省よりアッヴィおよびMeijiの両社が要請を受け、2013年からフルボキサミンの小児の強迫性障害に対する開発を進めてきました。

今回の承認の基礎となった小児の強迫性障害患者を対象とした二重盲検比較試験(M13-970)1では、プラセボ群と比較してフルボキサミン群の有効性が確認されました。

強迫性障害は、症状が習慣化する前に治療を開始した方が治療効果が高くなると知られており、10歳前後で発症するケースもあるため、小児への治療に用いることができる治療薬の開発が望まれていたアンメットニーズの高い疾患です。

両社は、医療上の必要性の高い医薬品を開発・提供することを通じて、患者さんやそのご家族の方々のQOL向上に貢献することを目指します。

以上

  • 1.SME3110(フルボキサミンマレイン酸塩)の小児強迫性障害患者を対象とした第Ⅲ相臨床試験
  • 注:医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議
    「欧米では使用が認められているが、国内では承認されていない医薬品や適応について、医療上の必要性を評価するとともに、公知申請への該当性や承認申請のために追加で実施が必要な試験の妥当性を確認すること等により、製薬企業による未承認薬・適応外薬の開発促進に資すること」を目的として設置された、厚生労働省が主催している会議

参考

強迫性障害について

強迫性障害は、強迫症状と呼ばれる症状(手を繰り返し洗う、鍵を閉めなかったなどと心配し頻繁に確認する等)に特徴付けられる精神疾患です。適切な治療がなされない、もしくは治療が遅れた場合には、強迫観念や執拗な確認行動等により、日常生活が著しく妨げられ、外出困難などQOLを低下させると言われています。

アッヴィについて

アッヴィは、世界で最も複雑かつ深刻な疾患に対する革新的な先進治療薬の開発に努める研究開発型のグローバルなバイオ医薬品企業です。その専門知識、献身的な社員、イノベーション実現に向けた独自の手法を通じて、自己免疫疾患、オンコロジー、ウイルス感染症およびニューロサイエンスの4つの主要治療領域での治療を大きく向上させることをミッションに掲げています。世界中の人々が持つ健康上の課題への解決策を進歩させるため、75ヵ国以上の国でアッヴィ社員が日々取り組んでいます。
アッヴィの詳細については、 をご覧ください。よろしければTwitterアカウント@abbVieもフォローください。また、人材情報はFacebookやLinkedInページをご参照ください。

日本においては、アッヴィ合同会社の約1,000人の社員が、医療用医薬品の研究・開発や販売に従事しています。自己免疫疾患・新生児・肝疾患・ニューロサイエンスの各領域を中心に、患者さんの生活に大きく貢献できることを願っています。詳しくは、をご覧ください。

参考資料

1. 製品概要(関連項目の抜粋、下線部が今回の追記部分)

1) 製品名:
ルボックス®錠 25、ルボックス®錠 50、ルボックス®錠 75/アッヴィ
デプロメール®錠 25、デプロメール®錠 50、デプロメール®錠 75/Meiji
2) 一般名:
フルボキサミンマレイン酸塩錠
3) 効能又は効果:
うつ病・うつ状態,強迫性障害,社会不安障害
4) 用法及び用量:
成人への投与:
  • うつ病・うつ状態、強迫性障害、社会不安障害
    通常、成人には、フルボキサミンマレイン酸塩として、1日50mgを初期用量とし、1日150mgまで増量し、1日2回に分割して経口投与する。なお、年齢・症状に応じて適宜増減する。
小児への投与:
  • 強迫性障害
    通常、8歳以上の小児には、フルボキサミンマレイン酸塩として、1日1回25mgの就寝前経口投与から開始する。その後1週間以上の間隔をあけて1日50mgを1日2回朝及び就寝前に経口投与する。年齢・症状に応じて1日150mgを超えない範囲で適宜増減するが、増量は1週間以上の間隔をあけて1日用量として25mgずつ行うこと。
5) 安全性情報の概要:
禁忌(次の患者さんには投与しないでください)
(1)本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
(2)モノアミン酸化酵素(MAO)阻害剤を投与中あるいは投与中止後2週間以内の患者
(3)ピモジト、チザニジン塩酸塩、ラメルテオンを投与中の患者(添付文書「相互作用」の項参照)

使用上の注意、薬物動態、臨床成績、薬効薬理などの詳細な情報は添付文書をご照会ください。