感染症は、「どこから病原体が体に入るか(=感染経路)」によって、いくつかのタイプに分かれます。
感染経路を知っておくことで、予防のポイントも見えてきます。
飛沫感染(ひまつかんせん)
病原体が、くしゃみやせき、会話などの際に小さなしぶき(飛沫)となって飛び、それを口や鼻から吸い込むことで感染します。
しぶきは1〜2メートルほど飛ぶので、近くにいる人にうつりやすいのが特徴です。
主な感染症の例
- インフルエンザ
- 新型コロナウイルス感染症
- 風邪(ライノウイルスなどが原因)
- RSウイルス感染症
接触感染(せっしょくかんせん)
病原体がついた手で、目・鼻・口をさわり体内に入ることで感染します。ドアノブやスイッチ、スマホなど、手が触れる場所にウイルスや細菌がついていることもあります。
主な感染症の例
- ノロウイルス感染症
- RSウイルス感染症
- とびひ(黄色ブドウ球菌などが原因)
- 咽頭結膜熱(アデノウイルスが原因で“プール熱”と呼称されることもあります、現在はプールで感染することは多くありません)
空気感染(くうきかんせん)
飛沫よりももっと小さな粒子(飛沫核)になった病原体が空気中を長くただよい、離れた場所にいる人にもうつるのが空気感染です。
主な感染症の例
経口感染(けいこうかんせん)
病原体がついた食べ物や水を口にすることで感染します。手についたウイルスが食品に移ったり、調理器具を通じてうつることもあります。
主な感染症の例
- ノロウイルス感染症
- O157などの腸管出血性大腸菌感染症
- サルモネラ感染症
血液・体液感染/母子感染
病原体が血液や体液(よだれ、精液など)を通じて体に入ることで感染します。また、出産時や授乳、妊娠中の母子感染もあります。
通常の生活では感染しにくいものが多いですが、医療行為や性行為、出産・授乳時などに注意が必要です。
主な感染症の例
- B型肝炎・C型肝炎
- HIV(エイズ)
- HTLV-1(ヒトT細胞白血病ウイルス)
- 梅毒(ばいどく)
感染症ごとに「どこからうつるか」が違うため、それぞれに合った対策が必要です。
まずは、日々の手洗いや室内の換気など、日常から基本的な感染予防の習慣をつけることが、家族を守る第一歩です。
感染症予防の基礎知識