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ウイルスや細菌に対する免疫をつけ、感染症にかかりにくくしたり、かかったとしても症状を軽く抑えたりするために使用されるワクチン。接種する本人の健康を守ることはもちろん、「かからない」「うつさない」ことで家族や周りの人たちも守ることができます。

70年以上感染症と向き合ってきたMeiji Seika ファルマは、同じ明治グループのKMバイオロジクスとワクチンの研究・製造・流通・販売までの一体運営を推進しており、ワクチン事業はコア事業となっています。直近では、5種混合ワクチンも承認となりました(2023年10月時点未発売)。インフルエンザワクチンや小児定期接種ワクチンはKMバイオロジクスが製造を、Meiji Seika ファルマが販売を担う「製販一貫体制」でシナジーを発揮し、近年は、ワクチンの啓発活動にも注力しています。製販一体の強みや啓発活動について、担当者に聞きました。

目次

  1. 1製販一体で、高品質なワクチンをいち早く提供
  2. 2医療現場の声に応え、サポートする
  3. 3社会を感染症から守るワクチン。その重要性を知ってほしい
  4. 4製販一体だからこそ実現。リモート工場見学
  5. 5正しい情報をわかりやすく。「やさしいワクチンガイド」
  6. 6感染予防に欠かせないワクチンを扱う誇りを胸に

田中 信寛

Meiji Seika ファルマ株式会社
感染ワクチン免疫領域部 部長

原 幸佑

Meiji Seika ファルマ株式会社
感染ワクチン免疫領域部 ワクチングループ

製販一体で、高品質なワクチンをいち早く提供

Meiji Seika ファルマは、KMバイオロジクスと一体でワクチンの安定供給に力を注ぎ、人々の健康に寄与することを目指しています。グループ一体推進の強みは何なのでしょうか。

「ワクチン事業は、一般的に製造と販売が分業されることがほとんどで、一つの企業体が製造と販売をトータルで担っているのは、国内では私たち明治グループだけです。なかでもインフルエンザワクチンのシェアは国内ナンバーワンです」。そう話すのは、ワクチン事業を推進する田中です。

全国に強力な販売網を持つMeiji Seika ファルマと、国内有数の生産能力を持つKMバイオロジクス。2社の販売力と生産力を融合することで、さらに大きな強みが生まれると言います。

「例えば、インフルエンザワクチンは、ウイルスの流行状況に応じてワクチンの基となる株が毎年変わるため、前もって製造しておくことができません。そうした状況のなか、私たちは製販一体だからこそ、需要をしっかり把握したうえで、品質の高いワクチンを安定的かつ迅速に製造し、必要とする全国の医療機関にいち早くお届けすることができるのです」

医療現場の声に応え、サポートする

インフルエンザワクチンのマーケティングを担当する原は、医療現場の声に応えながら製品を迅速に改良できる点も、製販一体の強みだと話します。

「Meiji Seika ファルマは、日々の情報提供・収集活動を通して、医療関係者からさまざまなお困りごとやご要望をキャッチしているので、そうした医療現場の声をすぐに製造側(KMバイオロジクス)にフィードバックして製品の改善改良に活かすようにしています。例えば、医師や看護師の方々は、人手や時間が少ないなか、たくさんの方にワクチン接種をしなければなりませんよね。正確に効率的に接種できるよう、包装を開けやすくしたり、廃棄をしやすくしたりなど、使う人の立場に立った改良を日々重ねているのです」

さらに、医療現場の役に立ちたいという思いは、情報提供活動の強化にもつながっています。
世界中の感染症疫学情報の収集・分析を行うカナダのBlue Dot社と契約し、医療関係者向けに、重要な感染症情報を収集・分析したレポートを定期的に配信しています。
「感染症の発生・拡大に関する情報にとどまることなく、当社ならではの予測を含めた信頼性の高い情報をタイムリーに提供することで、医療関係者に活用いただきながら、感染症のリスクから、社会の人々を守ることができればと思っています」

感染症関連情報は、Meiji Seika ファルマの医療関係者向けの会員制サイト()で公開。

社会を感染症から守るワクチン。その重要性を知ってほしい

近年、Meiji Seika ファルマは、ワクチンの啓発活動にも注力しています。
そもそもワクチンは、接種する本人や周りの人の健康を守るもの。また、社会全体でワクチンを接種して免疫を持つ人が増えれば「」となり、感染症の流行を抑えることにつながります。集団免疫効果が発揮されれば、さまざまな事情でワクチンを打つことができない人を感染症から守ることもできます。

ワクチンの接種率に注目してみると、インフルエンザワクチンの接種について、諸外国と比較し、日本は高いと言えない状況です。

「多くの人が接種することで、社会全体を感染症から守ることにつながるのですが、ワクチンの重要性や安全性について、まだまだ知られていません」。田中はそう話します。

社会全体を感染症から守るために、一人でも多くの人にワクチンを正しく理解していただき、安心して接種していただけるようにしたい。

啓発活動に取り組むのはトップサプライヤーとしての使命だと、原も語ります。

製販一体だからこそ実現。リモート工場見学

啓発活動の一つに、KMバイオロジクスと合同で実施している、医療関係者向けのリモート工場見学があります。
2021年に始まった取り組みで、これまでに20回ほど開催しています。MRを通じて医療関係者とKMバイオロジクスの製造現場をつなぎ、ワクチンの製造棟の中の様子をリアルタイム配信。質疑応答の時間も設けて、ワクチンに対する理解促進につなげています。参加した医療関係者の方々からは、「徹底して品質管理していることがよくわかった。安心して使える。被接種者にもきちんと説明できる」「こんなにきちんとつくってくれているのだから、大切に使わないと」といった声が寄せられています。

医療関係者向けのリモート工場見学。KMバイオロジクスのワクチン製造現場の様子をリアルタイムで配信。

正しい情報をわかりやすく。「やさしいワクチンガイド」

医療関係者向けの啓発活動に加え、一般生活者向けの啓発サイト「」を立ち上げています。
ねらいについて原は語ります。「医師や看護師の方々は日々忙しいので、被接種者の方一人ひとりに、ていねいにワクチンの説明をするのは難しいのが現状です。そこでMeiji Seika ファルマでは、被接種者への説明をお手伝いしようと、ワクチンの必要性や安全性に関する情報をわかりやすくまとめたWebサイトをつくりました。サイトにアクセスするチラシを医療関係者におわたしして、被接種者の方に案内していただいています。医療現場の方からは、『正しい情報がわかりやすくまとまっているので、助かる』『ワクチンについてよくわかるので、被接種者の方は安心して接種できる』という声をいただいています」

こうした一般生活者に向けた情報発信は、少しずつ拡充しています。ワクチンの理解・接種の促進のため、全国各地の医療機関や自治体で活用してもらえるようデジタルサイネージ(電子看板)を作成しているほか、SNSを活用した広告で一般生活者にダイレクトな発信もしています。

ワクチンについてわかりやすく伝えるWebサイト「

全国各地の医療機関や自治体で活用してもらうために作成したデジタルサイネージ(電子看板)

感染予防に欠かせないワクチンを扱う誇りを胸に

医療関係者や一般生活者への啓発活動は、今後もいっそう力を入れて取り組んでいくと、田中は力を込めて語ります。
「ワクチンを正しく知り、安心して使ってもらうために情報発信することは私たちの使命。特に、インフルエンザワクチンについては、業界全体で啓発活動をしていこうと、他社にも働きかけているところです。業界をリードしていきたいですね」

私たちの生活を脅かす感染症から人々を守るために、これからも取り組んでいきます。