アミノグリコシド系抗生物質製剤「硫酸ストレプトマイシン注射用」公知申請による承認取得のお知らせ

2014年02月21日 プレスリリース

Meiji Seika ファルマ株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:松尾正彦)は、本日、公知申請注1を行っていたアミノグリコシド系抗生物質製剤『硫酸ストレプトマイシン注射用1g「明治」』(一般名:ストレプトマイシン硫酸塩、以下ストレプトマイシン)について、「マイコバクテリウム・アビウムコンプレックス(MAC)症を含む非結核性抗酸菌症」の適応追加および適応菌種の「結核菌」を「マイコバクテリウム属」へ変更の承認を取得しましたので、お知らせいたします。

今回のストレプトマイシンの適応症については、2013年6月19日に開催された「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議注2」において、公知申請に該当すると評価され、さらに同年7月26日の「薬事・食品衛生審議会医薬品第二部会」において、公知申請を行って差し支えないと判断されました。これを受けて、当社は2013年8月19日に上記の適応追加および適応菌種変更の公知申請を行いました。

当社は、「スペシャリティ&ジェネリック・ファルマ」として、引き続き未承認薬・適応外薬の解消に協力することで、医療に貢献してまいります。

注1.公知申請
効能又は効果等が医学薬学上公知であるとして、臨床試験の全部または一部を新たに実施することなく行う医薬品(効能・効果追加等)の承認申請。

注2.医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議
「欧米では使用が認められているが、国内では承認されていない医薬品や適応について、医療上の必要性を評価するとともに、公知申請への該当性や承認申請のために追加で実施が必要な試験の妥当性を確認すること等により、製薬企業による未承認薬・適応外薬の開発促進に資すること」を目的として設置された、厚生労働省が主催している会議。

以上

参考1

硫酸ストレプトマイシン注射用1g「明治」承認内容の新旧対照

効能・効果

<適応菌種>
ストレプトマイシンに感性のマイコバクテリウム属、ペスト菌、野兎病菌、ワイル病レプトスピラ

<適応症>
感染性心内膜炎(ベンジルペニシリン又はアンピシリンと併用の場合に限る。)、ペスト、野兎病、肺結核及びその他の結核症、マイコバクテリウム・アビウムコンプレックス(MAC)症を含む非結核性抗酸菌症、ワイル病

<適応菌種>
ストレプトマイシンに感性の結核菌、ペスト菌、野兎病菌、ワイル病レプトスピラ

<適応症>
感染性心内膜炎(ベンジルペニシリン又はアンピシリンと併用の場合に限る。)、ペスト、野兎病、肺結核及びその他の結核症、ワイル病

用法・用量

[肺結核及びその他の結核症に対して使用する場合]
通常成人にはストレプトマイシンとして1日1g(力価)を筋肉内注射する。週2~3日、あるいははじめの1~3ヵ月は毎日、その後週2日投与する。また必要に応じて局所に投与する。
ただし、高齢者(60歳以上)には1回0.5~0.75g(力価)とし、小児あるいは体重の著しく少ないものにあっては適宜減量する。
なお、原則として他の抗結核薬と併用する。

[マイコバクテリウム・アビウムコンプレックス(MAC)症を含む非結核性抗酸菌症に対して使用する場合]
通常、成人にはストレプトマイシンとして1日0.75~1g(力価)を週2回または週3回筋肉内注射する。
年齢、体重、症状により適宜減量する。

[その他の場合]
通常成人にはストレプトマイシンとして1日1~2g(力価)を1~2回に分けて筋肉内注射する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。

[肺結核及びその他の結核症に対して使用する場合]
ストレプトマイシンとして、通常成人1日1g(力価)を筋肉内注射する。週2~3日、あるいははじめの1~3ヵ月は毎日、その後週2日投与する。また必要に応じて局所に投与する。
ただし、高齢者(60歳以上)には1回0.5~0.75g(力価)とし、小児あるいは体重の著しく少ないものにあっては適宜減量する。
なお、原則として他の抗結核薬と併用する。

[その他の場合]
ストレプトマイシンとして、通常成人1日1~2g(力価)を1~2回に分けて筋肉内注射する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。

参考2

「マイコバクテリウム・アビウムコンプレックス(MAC)症を含む非結核性抗酸菌症」とは

非結核性抗酸菌は、抗酸菌から結核菌群を除く一括した呼称であり、非結核性抗酸菌症とは、非結核性抗酸菌による感染症である。
非結核性抗酸菌症のうち、特に肺マイコバクテリウム・アビウムコンプレックス(MAC)症は、年々患者数が増加しており、本邦の非結核性抗酸菌症の罹患率は5.7人(人口10万対)以上と推定されている。

マイコバクテリウム・アビウム、マイコバクテリウム・イントラセルラは性状が類似していることから、一括して「マイコバクテリウム・アビウムコンプレックス(MAC)」と呼ばれている

「結核菌」を「マイコバクテリウム属」に変更するとは

非結核性抗酸菌も結核菌もマイコバクテリウム属に属することから、包括的な記載とした。