移植前処置が終了する頃には、患者さんの身体の中の白血球はほぼなくなります。前処置終了から1~2日後に、患者さん自身から採取した、あるいはドナーさんから提供された造血幹細胞を患者さんの静脈内に輸注します(これが移植です)。
輸注時に一時的にアレルギーなどの副作用が見られることがあるため、それらを予防する薬剤を使用します。
輸注開始から終了するまでの時間は、輸注する造血幹細胞の量で異なります。骨髄移植で約2~5時間以上、末梢血幹細胞移植で約30分~1時間、さい帯血移植で約5~10分とされています。
生着までの期間は骨髄移植で約2~3週間、末梢血幹細胞移植で約2週間、さい帯血移植で約3~4週間とされています。その間、定期的に採血し、白血球の数値を観察します。通常、成人の白血球の数は3,500~9,000/㎕ 前後であり、移植前処置の後は、ほぼ0になります。移植後、白血球の一種である好中球の数が500/㎕ を超える日が3日以上続くと、生着したとみなされます。
まれに、移植後も白血球が増えない、一度増えても減ってしまうという状態に陥ることがあります。この状態を「生着不全」といい、その場合には再移植が必要になります。
生着したら無菌病棟/無菌室(防護環境)を出て一般病棟へ移ることができます。その後、経過を観察し、日常生活に戻れるまで身体の状態が回復したら退院することができます。
一般社団法人日本造血・免疫細胞療法学会(2024年5月1日アクセス)
https://www.jstct.or.jp/modules/patient/index.php?content_id=17
https://www.jstct.or.jp/modules/patient/index.php?content_id=18
国立がん研究センター:がん情報サービス(2024年5月1日アクセス)
https://ganjoho.jp/public/dia_tre/treatment/HSCT/hsct02.html
国立がん研究センター中央病院12B病棟 同種造血幹細胞移植療法を受けられる方へ(2024年5月1日アクセス)
https://www.ncc.go.jp/jp/ncch/clinic/stem_cell_transplantation/Allo.pdf
国立がん研究センター中央病院12B病棟 自家造血幹細胞移植療法を受けられる方へ(2024年5月1日アクセス)
https://www.ncc.go.jp/jp/ncch/clinic/stem_cell_transplantation/auto.pdf