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退院後の生活について

退院後も感染症などに注意し、対策を心がけましょう。また、慢性GVHDを含む晩期合併症は、退院後におこることも多いため、日ごろのセルフチェックで気づいたことがあれば、セルフケアや医療スタッフへ相談するなど、早めの対応を行いましょう。これによって、重症化したり、生活への影響が大きくなったりすることを防ぐことができます。下記のものは主な注意事項ですので、退院時や外来受診時に医療スタッフの指示にしたがってください。

感染予防

引き続き、手洗いやうがいはこまめに行いましょう。
アスペルギルスは土やほこりをすみかにしています。建設現場や解体現場、畑や草むらなどはなるべく避けるようにしましょう。その他、呼吸器感染症を防ぐため、なるべく人ごみには近づかないようにしましょう。
ペットとの接触はできるだけ避けた方がよいです。どうしても接触しないといけない場合は、マスクや手袋を使い、触れた場合は手洗いをしましょう。
ご家族の方は、ご自宅が清潔な環境になるよう努めましょう。ほこりや水回りの汚れは清掃し、必要があれば患者さんが過ごす部屋は模様替えを行うなど、清潔に保つことが重要です。また、エアコンや加湿器は内部に菌やカビが繁殖しやすいので、定期的に洗浄するようにしましょう。

食事

食中毒に注意しながら、徐々に普段の食生活に戻していきます。下記は注意点の一例ですので、詳しくは医療スタッフに相談してください。

予防接種

造血幹細胞移植後は、移植前の感染や予防接種によって獲得した免疫(抗体)が減少するため、改めて予防接種を受けることが勧められています。
ワクチンの種類によって接種できる時期や条件が異なります(表)。実際に接種する際は、医療スタッフに相談してください。
また、基本的に造血幹細胞移植後の再接種は全額自己負担ですが、助成を行っている自治体もあります。詳しくはお住まいの市区町村にお問い合わせください。

ワクチンの種類と接種時期・主な条件

主なワクチン 接種できる時期と主な条件
不活化ワクチン
病原体を不活化したもの
肺炎球菌
4種混合(百日咳/破傷風/ジフテリア/ポリオ)
インフルエンザ菌b型
B型肝炎
インフルエンザ
造血幹細胞移植後6~12ヵ月経過
慢性GVHDの増悪がない
生ワクチン
病原体を弱毒化したもの
MR(麻疹・風疹混合)
おたふくかぜ
水痘
造血幹細胞移植後24ヵ月経過
慢性GVHDを認めない
免疫抑制薬を使用中ではない

参考:

国立がん研究センター:がん情報サービス(2024年5月1日アクセス)
https://ganjoho.jp/public/dia_tre/treatment/HSCT/hsct03.html

一般社団法人日本造血・免疫細胞療法学会(2024年5月1日アクセス)
https://www.jstct.or.jp/modules/patient/index.php?content_id=49
https://www.jstct.or.jp/modules/patient/index.php?content_id=53
https://www.jstct.or.jp/modules/patient/index.php?content_id=43